Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 博昭 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60128395)
原 武史 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10283285)
周 向栄 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00359738)
佐井 篤儀 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50178464)
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教授 (40252134)
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Research Abstract |
本研究の目的は,各種医療画像において,人体の解剖学的な正常構造理解の観点から異常部位の自動識別法の開発を行うことであり,このような新しい手法に基づく知的コンピュータ支援診断(CAD)システムを構築することである.本年度は,主に「1)画像データベース(DB)の応用」,「2)正常構造理解の高度化」と「3)正常構造理解に基づく異常の検出」を中心に研究を遂行した. 1)に関しては,これまで構築したDBを基にして,人体構造の認識手順の処理結果を自動的に評価する機能をDBに追加した.DBに登録されている症例に対して臓器・組織の認識結果からいくつかの特徴量(CT値分布,体積など)を自動的に測定し,人体の臓器・組織の基本モデル(特徴量の分布)を構築した.新たな症例に対して,ある処理手順の認識結果をこれらの基本モデルと比較し,結果の正確性を自動的に判断する機能を開発した.その機能を利用して,複数の手順から入力画像に対する最適な手順を自動的に選択するアプローチを実現した. 2)に関しては,体幹部領域におけるCT画像から,認識対象とする解剖学的構造をさらに細分化し,筋肉の分類(腹直筋,腹斜筋,骨盤内閉鎖筋,胸筋),骨盤内の臓器(膀胱,直腸)の自動認識手順を新規に開発した.CT画像からのこれらの臓器・組織の自動認識が本研究によって初めて実現された.また,これまでの処理手順の性能評価についても検討を続けている.専門医師の判断により,肝臓,肺野構造,横隔膜,乳腺領域のgold standardを複数の症例について作成し,評価を行った.これによって,人体の構造認識手順の性能を定量的に確認できるようになった. 3)に関しては,これまでに認識した正常な人体構造を用いて,救急医療における腹部出血領域の自動検出CADシステムを開発した.初期的な実験として,2症例のCT画像から約80%の血腫領域を自動的に検出でき,正常構造理解に基づく異常の検出の可能性を検証した.
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