Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神木 正史 首都大学東京, 理工学研究科, 客員研究員 (30004451)
青木 勇二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (20231772)
桑原 慶太郎 首都大学東京, 理工学研究科, 助手 (90315747)
菅原 仁 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (60264587)
岩佐 和晃 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00275009)
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Research Abstract |
常圧フラックス法と高圧合成により充填スクッテルダイト純良結晶の合成を行い,領域内外研究グループに供給して共同研究を行った。同時に進めた,グループ内での研究を以下に例示する。 (1)常圧合成されたPrFe_4Sb_(12)の磁気特性の矛盾する報告の原因の解明を目指し,Prサイトの充填率が高い試料を合成して強磁性的な転移が消滅することを示した。(1)その機構を解明するため,中性子非弾性散乱実験により,高充填率試料の結晶場基底状態がバルク測定と矛盾しないΓ_1であることを示した。(2)更に,Yb系,Nd系に拡張し,磁気的特性への顕著な希土類サイ充填率依存を確認し,PrOe_4Sb_(12)の超伝導2段転移の原因としての充填率効果の検証を進めている。(2)As系の本質的な物性評価のために,高温高圧下での長時間合成を行い,Rfe_4As_(12)(R=La,Ce,Pr)の純良結晶の合成に成功した(LaFe_4As_(12)の残留抵抗比は,これまでと比較し格段に大きな64である)。この純良結晶での物性測定により,約5K以下で弱い遍歴電子強磁性を示すことを見出し,より高い"電子状態密度"を持つ常磁性体LaFe4Sb12と対比して不思議な,この強磁性機構を説明する提案を行った。(3)中性子回折実験により,CeOs_4Sb_(12)の約1K以下の秩序相において,弱いSDW的な反強磁性を確認したが,比熱などのバルク測定による相図と矛盾して磁場1T以上で消滅する。また,報告者により異なる高磁場相図の矛盾を解決すべく,単結晶での比熱測定を行い,大きな異方性を明らかにし,更に,転移温度以上で4f電子の磁気的揺らぎを示唆する顕著な臨界発散的な依存性を見出した。その揺らぎは,この物質で見出されてきた,種々の物性にあらわれた異常な振る舞いへの,磁気的な揺らぎによることを示唆している。
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