2007 Fiscal Year Final Research Report Summary
多様な積層構造をもつフタロシアニンπ-d系導電体の構築
Project/Area Number |
15073101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲辺 保 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (20168412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信部, 教授 (80029280)
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信部, 准教授 (00232306)
内藤 俊雄 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20227713)
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Project Period (FY) |
2003 – 2007
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Keywords | 分子性固体 / 有機導体 / 磁性導電体 / 結晶設計 / π-d相互作用 |
Research Abstract |
本特定領域研究期間に以下の研究成果が得られた。 フタロシアニン(Pc)一次元π-d系:TPP[Fe(Pc)(CN)_2]_2の負の磁気抵抗を20Kで37Tまで測定し、2桁以上の抵抗低下を見出した。電気、磁気物性が軸配位子によって変化することを見出し、π-πおよびπ-d相互作用への軸配位子置換効果について実験および理論計算によって系統的に調べ、可変なπ-d系となることを見出した。一次元系での電荷の局在が不純物とは無関係であることを見出し、電荷の不均化が確認された。電流-電圧特性の測定により不均化の融解による非線形性が観測され、π-d系ではより高温から非線形性が顕著になり、電場によっても抵抗が激減することが見出された。 Pc二次元π-d系:[PXX]_2[Co(Pc)(CN)_2]・CH_3CNが等方的な二次元系であることを見出した。この結晶は半導体であるが、加圧によって金属的となる。二次元π-d系の構築にも成功し、低温ではπ-d相互作用に基づく明確な物性の差が現れることを見出した。 新規π-d(f)系の開拓:ピリミジン-TTF-M系(π-d系)を構築し、常磁性半導体が見いだされた。いくつかの4f-3d系単分子磁石を開発し、4f-3d間交換相互作用、量子トンネル効果の機構を明らかにした。天然有機分子の電子ドナー性を見出し、その電荷移動錯体、遷移金属錯体における電導性や磁性を評価した。希土類錯イオンを対アニオンとするイオンラジカル塩の電導性、単分子磁石性能を評価した。ラジカル-コバルト系(π-d系)単一次元鎖磁石から世界最高の保磁力(52kOe)を有する「硬い」磁性材料を開発した。 光照射を利用した電荷移動錯体の電気特性の制御:DCNQI銀塩を対象に、単結晶のデバイス化を目指し、接合子構造となる、局所的に伝導性が異なる“単結晶"への変換を試み、特異な光応答についての知見を得た。
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Research Products
(140 results)