2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073201
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 達生 独立行政法人産業技術総合研究所, 強相関電子技術研究センター研究, チーム長 (00242016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊井 玲児 独立行政法人産業技術総合研究所, 強相関電子技術研究センター, 研究員 (00356924)
堀内 佐智雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 強相関電子技術研究センター, 研究員 (30371074)
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Keywords | 有機トランジスタ / 分子性導体 / 強相関エレクトロニクス / 電子デバイス・機器 / 表面・界面物性 / インクジェット印刷 / 電子スピン共鳴 / 電極界面 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに得られた知見を基盤として、電荷移動型材料を、有機トランジスタ(OFET)を高性能化するための機能性要素として利用する研究成果について重点的に報告する。(1)テトラチアフルバレン系分子を用いた高性能チャネル材料開発:ヘキサメチレンテトラチアフルバレン(HMTTF)単結晶をチャネルとし、TTF-TCNQ薄膜をソース/ドレイン電極とする単結晶FETにおいて、移動度が10cm2/Vsを超える素子動作が得られた。この優れた素子動作の起源として、HMTTFがside-by-side、及びbrickwork様式により稠密な分子配列を取ること、及び有機金属電極により高いキャリヤ注入効率が達成されていることを議論した。(2)導電性電荷移動錯体薄膜のインクジェット印刷と機能性電極への応用:導電性電荷移動錯体薄膜の溶液プロセスによる作製法として、構成要素であるドナー、及びアクセプター分子をそれぞれ高濃度に溶解させたインクを基板上の同一位置に塗布し、溶媒乾燥前に基板上で錯形成を行うダブルショット・インクジェット法を開発した。得られたTTF-TCNQ薄膜は、10 S/cmを超える高い導電性を示すとともに、これをソース/ドレイン電極として用いたペンタセン薄膜FETは、低電圧で鋭いオン/オフ動作を示した。(3)電子スピン共鳴(EPR)法による有機FETのキャリヤ輸送機構の解明:ペンタセン薄膜FETについて、ゲート電圧による電界効果ドープ、及びF4TCNQにより化学的にドープしたキャリヤのEPRスペクトルを調べたところ、ゲート電圧増大による伝導性向上とともに、Motional Narrowingによるスペクトル線幅の尖鋭化が観測された。その解析をもとに、チャネル内キャリヤ輸送機構について詳細な知見を得た。
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Research Products
(8 results)