2007 Fiscal Year Final Research Report Summary
超高分解能光電子分光法を用いたd及びf電子系と巨大π電子系との相関性追求
Project/Area Number |
15073203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Ehime University (2006-2007) Chiba University (2003-2005) |
Principal Investigator |
日野 照純 Ehime University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10105827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 隆文 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70260156)
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Project Period (FY) |
2003 – 2007
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Keywords | 電子状態 / 光電子分光 / フラーレン / 金属内包フラーレン / π-d相互作用 / ポルフィリン |
Research Abstract |
シンクロトロン放射光を利用して一連の金属内包フラーレンの紫外光電子分光スペクトルを測定した。これら測定結果の解析から、単原子内包フラーレンで確立している経験則「同じ炭素原子数からなるフラーレンであってもケージの対称性が異なれば、異なった電子状態をあたえる」がC82ケージ内包フラーレンでは成立していることが判明した。また、Tm@C82ではTmからケージへの電荷移動量が2であるのに対して、Tm2@C82やTm2C2@C82におけるTmの価数は+3と考えられることも判明した。これは、複数個の原子が内包されることによって、より多くの電子が移動するということであり、原子数が多ければ電子を受け取るフラーレンケージの電子受容量の関係で移動する電子数は減ると考えるのが妥当であるところから、一見矛盾したように見える奇妙な現象である。一方、C78ケージ内包フラーレン、La2@C78、Ti2C2@C78、Sc3N@C78ではケージ構造が同じでありかつLa2@C78とTi2C2@C78では内包原子団からケージへの電荷移動量も同じであるにもかかわらず、全く異なる電子状態を持つことが明らかとなった。この現象を解明するために、La2@C78とTi2C2@C78の量子化学計算を行い、波動関数の分布の様子が異なっており、内包原子団とケージ構成炭素原子との混成結合形成の有無が電子状態に大きな影響を与えていることを明らかにした。さらに、Y2C2@C82の量子化学計算結果と実測の光電子スペクトルの比較から、内包原子団は歪んだ4面体構造をとっていると考えられることを明らかにした。
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Research Products
(60 results)
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[Presentation] How the encapsulated atoms affect the electronic structure of the fullerene cage?2007
Author(s)
S. Hino, M. Kato, M. Otani, Y. Yoshimoto, S. Okada, T. Miyazaki, R. Sumii, D. Yoshimura, H. Horibe, H. Umemoto, Y. Ito, T. Sugai, H. Shinohara
Organizer
15th International Conference on Vacuum Ultraviolet Radiation Physics
Place of Presentation
Berlin, Germany
Year and Date
2007-08-02
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[Presentation] Er内包フラーレンの紫外光電子分光2006
Author(s)
日野照純, 加藤真之, 古川浩之介, 宮崎隆文, 隅井良平, 吉村大介, 伊藤靖浩, 菅井俊樹, 篠原久典
Organizer
第31回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム
Place of Presentation
三重県総合文化センター
Year and Date
2006-07-13
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[Presentation] Ti2C2@C82の紫外光電子分光2006
Author(s)
加藤真之, 岩崎賢太郎, 日野照純, 吉村大介, 森部裕江, 沖本治哉, 伊藤靖浩, 菅井俊樹, 篠原久典
Organizer
第30回記念フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム
Place of Presentation
名城大学
Year and Date
2006-01-08
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[Presentation] 金属カーバイド内包フラーレンの紫外光電子分光-(LuC)2@C82と(YC)2@C82の比較2005
Author(s)
古川浩之介, 加藤真之, 鰐田憲彦, 岩崎賢太郎, 吉村大介, 梅本久, 井上崇, 沖本治哉, 赤地孝夫, 伊藤靖浩, 菅井俊樹, 篠原久典, 日野照純
Organizer
第29回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム
Place of Presentation
京都大学
Year and Date
2005-07-25
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[Presentation] La_2@C_<78>の紫外光電子分光2005
Author(s)
加藤真之, 鰐田憲彦, 日野照純, 岩崎賢太郎, 吉村大介, 森部裕江, 梅本久, 伊藤靖浩, 菅井俊樹, 篠原久典
Organizer
第28回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム
Place of Presentation
名城大学
Year and Date
2005-01-08
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