2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073204
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鹿野田 一司 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (20194946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 和也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90302760)
藤山 茂樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 研究拠点形成特任教員 (00342634)
|
Keywords | 超高圧実験 / モット転移 / 強電子相関 / スピン液体 / 中性-イオン性転移 |
Research Abstract |
平成19年度は本特定領域研究最終年度である。そこで前年度までの研究を踏まえ、これまでに整備した加圧装置などを使用してバンド幅制御モット転移の研究、圧力下における中性-イオン性転移の挙動の研究を行った。さらにこれまでの実験の進展から磁場中における伝導面と磁場の角度を精密に制御する必要が生じたためこの目的に適したNMRプローブを導入し研究を加速させた。 モット転移に関しては常圧で反強磁性絶縁体であるk-(ET)_2Cu[N(CN)_2]Cl塩を用いてモット転移近傍の磁性への磁場の効果を調べるため7.4Tで13CNMR測定を行った。その結果、転移温度、磁気モーメントの大きさともに、すでに報告されている低磁場での挙動とは異なり常圧からモット転移直上まで圧力依存性が小さいことが判明した。絶縁相がスピン液体と考えられているk-(ET)_2Cu_2(CN)_3塩に関しては温度、圧力に関して幅広く変化させ^<13>CNMRを実施した。これにより金属-絶縁体転移の観測を始めとして磁気的側面からも相図の作成を行った。 A01班村田恵三氏らの協力のもと新しい圧力媒体オイル、ダフニー7474を用いてTTF-CAの中性-イオン性転移のNQRによる研究を行った。ダフニー7474によって従来この物質で得られている相図よりもさらに高圧での実験が可能となり、その結果、TTF-CAの高圧側にはダイマー化していないイオン相が存在すること、さらに温度の低下に伴い1次相転移でダイマー化することがわかった。
|
Research Products
(5 results)