2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073209
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 昭子 Nihon University, 文理学部, 教授 (50011705)
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Keywords | 単一分子性金属 / 磁性金属 / 反強磁性相転移 / 分子性伝導体 / 粉末構造解析 |
Research Abstract |
本年[Pd(tmdt)_2]および[Pt(tmdt)_2]を合成することが出来たので、構造解析、物性測定を行った。合成法は、アルゴンガス雰囲気下tmdt配位子をTHFに溶解し、25%Me_4NOHのMeOH溶液を加え保護基をはずすと、ピンク色の沈殿物が得られる。次に-78℃で[PdCl_2(PhCN)_2]のMeOH溶液を加えると紫色の錯体(Me_4N)_2[Pd(tmdt)_2]が得られる。(^nBu_4N)PF_6を支持電解質として、MeCNまたはTHF溶液中で0.4μA、3-4週間、電解酸化を行い中性錯体[Pd(tmdt)_2]が得られた。白金錯体も同様である。白金錯体は金属の導入がうまくいかずこれまで合成できなかったが、[PtCl_2(PhCN)_2]を用いる事により合成する事ができた。 M(tmdt)_2[M=Ni, Au, Pd, Pt]のX線回折パターンをSPring-8の放射光施設BLO2B2を利用し、西堀、坂田(名大)等と共同で測定した。いずれも同型構造であるが、特にPt塩はAu塩に類似しており、Pd塩はNi塩に類似している。 伝導度測定をいづれも粉末試料で行ったが、[Pd(tmdt)_2]は室温での値が100 Scm^<-1>で半導体的な振る舞いが見られた。伝導度測定、磁化率測定の両方に200K,100Kに異常がみられ、今後単結晶の測定を行う必用がある。[Pt(tmdt)_2]は粉末試料ながら室温伝導度が350 Scm^<-1>であり、4Kまで金属的な温度依存性を示した。このように粉末試料での測定にも関わらず4Kまで金属性を示す分子性結晶は大変珍しい。今後Au(tmdt)_2との混晶系を合成する予定である。
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Research Products
(10 results)