2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢持 秀起 Kyoto University, 低温物質科学研究センター, 教授 (20182660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前里 光彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60324604)
大塚 晃弘 京都大学, 低温物質科学研究センター, 助教 (90233171)
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Keywords | 有機導体 / 分子性固体 / 光誘起相転移 / 電荷整列 / 合成化学 / 電子-格子相互作用 |
Research Abstract |
超高速・高効率光誘起相転移物質である(EDO-TTF)_2PF_6の部分重水素化体の作製を継続した。今年度は、Ramanスペクトルの解析を行い、重水素化に伴いC=C二重結合が関与する振動も低エネルギーシフトする(導電経路となるπ-電子系の振動が変調される)事を明らかにした。本錯体の温度変化に対する1次の金属-絶縁体転移について、AsF_6、及び、SbF_6錯体と併せて詳細を検討した。伝導層内でのドナー分子の2量化の度合いが転移温度と、また、結晶構造中の空隙の大きさがヒステリシス幅と相関を持つ事を見出した。 EDO-TTF類縁体を用いた新規相転移物質の探索において、(MeEDO-TTF)_2PF_6に3種の多形があり、その内、黒色板状晶が室温直上で1次の半導体-半導体転移を起こす事が分かった。本錯体については、パルス高電場や圧力印加による相転移の制御を検討した。 磁性伝導体(DIETSe)_2FeX_4[X=C1,Br]の磁性および磁気輸送特性を詳細に調べた。局在d電子スピンのスピンフロップ転移に伴い、磁気抵抗が大きく変化するスイッチング現象や、スピンフロップ後に外部磁場をゼロに戻しても抵抗が元のゼロ磁場の値に戻らないメモリー現象を見出した。 多成分イオン性フラーレン錯体の開拓と解析を継続した。ひとつの錯体中で2種類のダンベル型C_60アニオンダイマー、すなわちC_60アニオンが単結合1本で結合したものと、単結合2本で結合したものが共存する例を新たに見出した。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Structures and Physical Properties of the Mono-methyl Substituted EDO-TTF Cation Radical Salts2007
Author(s)
X. F. Shao, H. Yamochi, Y. Nakano, Y. Yoshida, M. Sakata, M. Maesato, T. Murata, A. Otsuka, G. Saito, S. Koshihara
Organizer
The 9th China-Japan Joint Symposium on Conduction and Photoconduction in Organic Solids and Related Phenomena
Place of Presentation
Beijing, China
Year and Date
2007-10-28
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