2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073218
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大坪 徹夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧宮 和男 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40263735)
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Keywords | 分子性導体 / ナノ分子 / 有機電導体 / 超伝導体 / テトラチアフルバレン / 電子供与体 / 電界効果トランジスター / ヘテロ環化合物 |
Research Abstract |
本研究では、従来の有機導体には見出されていない新たな機能性発現を目指して、ナノサイズの構成単位からなる分子性導体、超伝導体の開発を研究の目的としている。このような新規機能性が期待できる分子系としてオリゴチオフェン誘導体、含セレン系パイ共役系分子、および、複素多環縮合芳香族化合物などに着目し、その基本構成分子のナノ構造化による新機能の発現とそれに付随する機能集積化の追究が本研究の真髄となる。本年度の研究成果として以下のものが挙げられる。1)長鎖オリゴチオフェンの末端官能化を利用して、種々の置換構造が異なるオリゴチオフェン12量体の合成に成功し、ドープ下での伝導度の比較と電子スベクトルの測定からキャリヤー種の特定を行い、伝導性ポリマー(オリゴマー)の伝導機構の解明に成功した。2)キノイド系オリゴチオフェンを基盤とする両性レドックス系の開発に成功し、閉殻電子構造としては稀な、1500nmの波長に達する近赤外色素の開発に成功した。3)アニオンナノワイヤー構造を持つTTF基盤有機超伝導体の構成分子の選択的重水素化に成功し、超伝導臨界温度測定においてTcが上昇することを見出し、この負の同位体効果は有機超伝導体の構造異方性と大きく関係していると推論した。4)近年注目を集めている有機電界効果トランジスター材料の開発に関して、含セレン複素多環芳香族であるベンゾジセレノフェン誘導体が0.1cm^2/Vsを超える高いホール移動をもつことを見出した。
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Research Products
(7 results)