2004 Fiscal Year Annual Research Report
10GPa級高圧力下、超強磁場下の有機伝導体の新物性
Project/Area Number |
15073220
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
村田 惠三 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90291591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 治一 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (60295681)
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Keywords | 強相関電子系 / 有機導体 / 分子性個体 / 低温物 / 物性実験 |
Research Abstract |
H15年度に本研究の中核となるキュービックアンビル装置が納入され、H16年度から装置の立ち上げを以下の順で行った:1)Biによる8GPaまでの圧力較正、2)外部負荷に対する発生圧力の再現性、3)ガスケット熱処理による圧力発生効率の改善、4)無機物質NbSe_3による動作テスト。現時点で2GPa<P<8GPa,2.5K<T<300Kにおける有機試料の精密測定が可能となった。 質の高い圧力発生の実証を兼ね、擬1次元導体NbSe_3の電荷密度波(CDW)と超伝導の圧力効果を調べた。超伝導転移の観測から試料空間の圧力分布は0.35GPa以下であることが判った。さらにCDWと超伝導の共存、及び臨界圧力近傍におけるCDW転移の臨界指数から、CDW-SC相転移における量子揺らぎの重要性を示した。(この成果はJPSJ6月号に掲載予定。) 有機試料に関しては、1)(EDT-TTFVO)_2FeBr_4、2)(Me-DH-TTP)_2A_sF_6、3)[Cu(TANC)](F)_<0.5>、4)(TTM-TTP)I_3を測定した。これらは、1)π-d相互作用によりフェリ磁性が発現しているもの、2)電子相関を増大させたもの、3)新有機アクセプターを配位した遷移金属錯体、4)1/2充填1次元系であり、これらの系に対して高圧下での新規量子状態の探索を試みた。現在、解析中である。1)から4)までそれぞれ杉本豊成、西川浩之、田所誠、川本正と森健彦ら諸氏との共同研究である。これらの成果を得るに当り、本研究に配置頂いた博士研究員、安塚周磨氏の全面的な貢献を特記したい。
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Research Products
(12 results)