2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073222
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
梶田 晃示 東邦大学, 理学部, 教授 (50011739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 尚也 理化学研究所, 分子物性化学研究室, 研究員 (40316930)
西尾 豊 東邦大学, 理学部, 教授 (20172629)
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Keywords | ナローギャップ半導体 / 有機伝導体 / 磁気抵抗 |
Research Abstract |
1)常圧力下では低温で絶縁体であり、圧力を印加するとナローギャップ半導体になる性質を持つ層状有機伝導体について、層間方向に電流を流したときの電気伝導特性を詳しく調べた。その結果、圧力によって、低温の電気伝導度が上昇する原因は、1)加圧によってエネルギーギャップが狭くなり、それにつれて、2)電気電導担体の密度が大きくなること、同時に3)担体の移動度が上昇するためであることが明らかになった。さらに、ナローギャップ半導体になった試料について磁気抵抗効果を調べ、磁場を層間に平行な方向に印可すると非常に大きな「負」の磁気抵抗が現れることを発見した。 2)上に述べた有機伝導体は,常圧下では低温で、金属-非金属転移をする。この転移の性質を調べるために比熱の測定を行った。その結果、転移温度の上下に異常な比熱のピークを観測した。 3)有機伝導体の電気伝導に対する電子相関の効果を明らかにするための予備実験を行った。今回は、大きなフェルミ面を持ち電子相関の弱い分子性金属について、層間方向の電流に対する電気伝導特性、特に、磁気抵抗を詳しく調べた。その結果、磁場を層間方向に印可したときの抵抗の磁場変化が、ある初等関数で表されることを発見した。さらに、この磁気抵抗が、電子相関を考慮しない半古典的理論の結果とよく一致していることを見出した。実験と理論から、層間抵抗は、高磁場下では磁場の一乗に比例すること、その際の比例係数は、温度に依存しない一定値を持つことをあきらかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Oshima, H.Ohta 他: "Fermi surface study of quasi-two-dimensional organic conductors by magnetooptical measurement"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 143-148 (2003)
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[Publications] T.Imakubo, N.Tajima 他: "Supramolecular organic conductor θ-(DEIETS)_2[Au(CN)_4] : unique crystal structure and superconductivity under uniaxial strain"Synthetic Metals. 133-134. 181-183 (2003)
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[Publications] S.Kasahara, F.Tateishi 他: "Pinning anomalies in organic conductor κ-(BEDT-TTF)_2X"Physica C. 388-389. 607-608 (2003)
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[Publications] M.Tamura, Y.Hosokoshi 他: "Magnetic properties and structures of the α- and δ-phases of p-NPNN"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. (2003)