2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073222
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
梶田 晃示 東邦大学, 理学部, 教授 (50011739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 豊 東邦大学, 理学部, 教授 (20172629)
田嶋 尚也 東邦大学, 理化学研究所, 研究員 (40316930)
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Keywords | ナローギャップ半導体 / ゼロギャップ半導体 / ディラック コーン / 有機伝導体 / 磁気抵抗 |
Research Abstract |
1.α-(BEDT-TSeF)_2I_3の面間方向の電気抵抗 この物質に静水圧を印加すると。20K以下で担体濃度が一定の半金属になる。このとき20K以下の電気抵抗は温度依存性の無い一定値となる。この現象がゼロギャップ半導体と共通のメカニズムで発生したものかどうかを調べる実験を行った。低温における抵抗の圧力依存性を詳しく調べたのである。その結果、ある静水圧を境にして、その高圧側では、抵抗の圧力依存性が殆ど無くなることが明らかになった。この物質のエネルギーバンドに、広い圧力範囲にわたってゼロギャップ構造が存在することを示唆する結果である。 2.高圧下における(BEDT-TTF)_3CI(DFBIB)の面間方向磁気抵抗 昨年度、我々は、擬二次元金属の面間抵抗に対する横磁場の効果が簡単な解析的式で表せることを示し、それを使って、面間方向のトランスファー積分の値を決定する方法を提案した。ところで、層間方向のトランスファー積分は、絶縁層を挟んだ分子間のトンネル効果に依るので、結晶の収縮膨張に敏感であると考えられる。そこで、本研究では、上記試料に高静水圧を印加して、トランスファー積分の圧力依存性を調べた。その結果、トランスファー積分の圧力依存性が大きいことが明らかになった。 3.擬一次元金属の面間横磁気抵抗 面間方向に電流を流した擬一次元金属に層に平行な磁場をかけた場合の抵抗(面間横磁気抵抗)を与える簡単な解析的式を得た。この式は、層に平行な面内の任意な方向の磁場について、弱磁場から高磁場まで適用できる。(TMTSF)_2C10_4について実験を行い、理論との比較を行った。理論と実験はほぼ完璧に一致し、式の有用性を示した。
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Research Products
(4 results)