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2007 Fiscal Year Annual Research Report

新しい型の有機半導体の機能探索

Research Project

Project/Area Number 15073222
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

梶田 晃示  Toho University, 理学部, 教授 (50011739)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西尾 豊  東邦大学, 理学部, 教授 (20172629)
田嶋 尚也  独立行政法人理化学研究所, 研究員 (40316930)
Keywordsゼロギャップ伝導体 / 有機伝導体 / 磁気抵抗 / ホール効果
Research Abstract

1)ゼロギャップ伝導体α-(BEDT-TTF)_2I_3の層間縦磁気抵抗
ゼロギャップ伝導体としてはグラファイトの単層膜、グラフェンが有名であるが、標題物質は、層状構造を持つ、世界で初めての擬二次元ゼロギャップ半導体である。一般に、伝導電子に磁場を印加すると電子のエネルギーはランダウ準位に分裂するが、ゼロギャップ伝導体の場合、ディラックコーンの頂点の位置にN=0 (Nはランダウインデックス)の準位ができるのが特徴である。本研究では、層状構造を持った本物質を使えば、N=0準位にいる電子の振る舞いを調べることができるという長田俊人(東大物性研)の理論的提言に従って、実験を行いN=0準位にいる電子の濃度の磁場依存性を明らかにすることに成功した。
2)量子極限状態にあるα-(BEDT-TTF)_2I_3の伝導特性
上に述べたように、磁場中におけるこの物質の電気伝導特性を理解する上でN=0準位の電子が果たす役割を明らかにすることが重要である。この物質の場合、たとえば、1テスラの磁場でN=0,とN=1の準位間隔が20 Kにもなると予想されること、N=0準位の占有率が温度に依存せず1/2であることから、低温ではN=0準位にいる電子が伝導を支配すると考えられるからである。(この状態を量子極限と呼ぶことが多い)
我々は、量子極限の電子系の運動について、定性的議論を行い、a)電流方向の抵抗率と、電流と垂直な方向の抵抗率(ホール抵抗率と呼ばれる)が等しい。b)ホール抵抗は弱磁場では磁場強度に比例するが量子極限状態では磁場にも温度にも依存しない一定値になる。その値は、電子の局在がなければいわゆる量子化抵抗になる。
と予想した。実験結果を解析した結果、予想通りのことが起こっていることが確認された。
3)ゼロギャップ伝導体α-(BEDT-STF)_2I_3の量子極限
この物質では、結晶を構成する分子の非対称性に起因して、電子が感ずるポテンシャルに強い乱雑性があるといわれている。我々は、この物質においても、2)で述べたのと同様な性質を持った量子極限状態が実現することを示し、この現象がポテンシャルの乱雑さに影響されにくいことを明らかにした。

  • Research Products

    (2 results)

All 2007

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Two-Dimensional Organic Conductors κ-(BEDT=TSeF)_2FeX_4 (X=Cl,Br) and mapping of Fermi Surface2007

    • Author(s)
      Sugawara
    • Journal Title

      J. Phys. Soc. Jpn. 76

      Pages: 114706 1-7

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Transport Properties of Massless Dirac Fermions in an Organic Conductor α-(BEDT-TTF)_2I_3 under Pressure2007

    • Author(s)
      N. Tajima
    • Journal Title

      Euro. Phys. Letters 80

      Pages: 47002 1-7

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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