2007 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下の分子性導体における集団的な電荷ダイナミクスの理論
Project/Area Number |
15073224
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
米満 賢治 Institute for Molecular Science, 理論・計算分子科学研究領域, 准教授 (60270823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 靖文 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 助教 (50390646)
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Keywords | 電荷秩序 / 長距離クーロン相互作用 / 電子格子相互作用 / 光誘起融解 / 金属絶縁体界面 / 仕事関数 / 整流作用 / 集団運動 |
Research Abstract |
α型およびθ型有機塩(BEDT-TTF)_2Xの電荷秩序相転移の詳細比較:2次元1/4フィリング系のα型およびθ型のBEDT-TTF塩は、ともに長距離クーロン相互作用が効いて、低温で電荷秩序をもつ。しかしθ型は電子格子相互作用なしでは、低温での結晶構造も水平ストライプ型の電荷秩序も再現されないこと、特に分子回転によるトランスファー積分の変調が効くこと、α型は電子格子相互作用の影響が小さいことを示してきた。どちらの塩も不連続転移をするが、θ型はとびが大きく、α型はとびが小さいことも理論的に再現できた。θ型では高温で3倍周期の電荷相関をもつことと関係している。これらにより電荷秩序の光誘起融解ダイナミクスにおける格子効果を計算するための基礎データを得られた。 金属絶縁体界面を通した電荷輸送特性の絶縁機構による違い:金属と絶縁体を接すると、一般に仕事関数が異なるためにショットキー障壁が生じる。通常のバンド絶縁体の場合は、電圧の向きによって電流の絶対値が大きく変わる整流作用が現れ、モット絶縁体の場合は、整流作用が抑制されることを示してきた。しかし、界面付近のポテンシャル変化を求める際に、これまで収束が悪く電流を過小評価していた。これを回避するため、ポワソン方程式を解く際に電子密度とポテンシャルの関係を仮定することにより解析的に解を求め、それを用いた量子的時間発展計算を行った。バンド絶縁体とモット絶縁体の電流電圧特性を実験結果と比較し、非常に良い一致をみた。
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Research Products
(21 results)