2005 Fiscal Year Annual Research Report
連続変位クラスター変分法による金属ガラス形成系の微視構造の研求
Project/Area Number |
15074201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
毛利 哲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20182157)
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Keywords | クラスター変分法 / 経路確率法 / 連続変位クラスター変分法 / ガラス転移温度 / スピノーダルオーダリング温度 / T0ダイアグラム |
Research Abstract |
ガラス形性能の優れた金属ガラスを得るためには、微視的な原子配列と相安定性に関する統計熱力学からの理解が必須である。本研究では、合金系の相安定性・相平衡の理論計算に大きな威力を発揮してきたクラスター変分法を、トポロジカルに乱れた構造に拡張した連続変位クラスター変分法を応用することにより、平衡状態図と微視構造および金属ガラスの形成能の相関を理論的に明らかにする。この為に、連続変位クラスター変分法の確立を図り、他の手法との比較検討を行う。特に本研究の初期においては、クラスター変分法と経路確率法の範疇でガラス転移の記述を行い、後期においては原子間ポテンシャルを導入して具体的な系への拡張を図ることを目的とした。 クラスター変分法と経路確率法を用いて、ガラス転移に関する平衡論と動力学の大枠の記述を行った。クラスター変分法を用いた計算では、理想ガラス転移が規則-不規則系のスピノーダルオーダリングに対応することを明らかにし、T_0ダイアグラムを理論的に導出した。さらに、Generalized stability diagramを算出し、ガラス領域、欠陥結晶領域、過冷液体領域などを、温度と規則度(欠陥量)のダイアグラムの可視化を行った。又、経路確率法を用いて、スピンフリップの素過程に粘性効果を導入することから、冷却速度とガラス転に温度の実験結果を定性的に再現した。又、連続変位クラスター変分法のガラス転移への応用計算を行った。レナード・ジョーンズポテンシャルを用いて2次元系の計算を行い、T0ダイアグラムを算出した。
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Research Products
(4 results)