2005 Fiscal Year Annual Research Report
中性子散乱による融体・金属ガラスの構造ゆらぎとダイナミックス
Project/Area Number |
15074208
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 恵司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80324713)
大友 季哉 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (90270397)
|
Keywords | 金属ガラス / 中性子回折 / X線回折 / 構造因子 / リバースモンテカルロ / 多面体解析 / 二十面体構造 / 三角プリズム構造 |
Research Abstract |
中性子回折ならびにX線回折を用いて得られたNi33.3Zr66.7とCu33.3Zr66.7金属ガラスの構造因子S(Q)を基にして,リバースモンテカルロ(RMC)法により3次元構造モデルの構築し,得られたそれぞれの金属ガラスの構造学的特徴を明らかにした. リバースモンテカルロ(RMC)計算により得られたNi33.3Zr66.7とCu33.3Zr66。7金属ガラスの構造モデルの部分構造因子Si-j(Q)は,過去に報告されている実験結果をよく再現している.この3次元構造モデルにおける多面体解析を行い,それぞれの金属ガラスを構成する多面体の分布を明らかにした. Zr原子周りの多面体はNi33.3Zr66.7ならびにCu33.3Zr66.7金属ガラスで良く似ており,二十面体もしくはそれに類似な多面体が多く存在する.それに対して,NiとCu原子周りの環境はNi33.3Zr66.7金属ガラスとCu33.3Zr66.7金属ガラスで大きく異なっている.すなわち,Ni33.3Zr66.7金属ガラスのNi原子周りはプリズム関連の多面体で構成されていることが分かった.特に,(028000)で示されるアルキメデス反プリズムはNiZr2結晶のNi原子周りに存在する多面体である.一方,Cu33.3Zr66.7金属ガラスのCu原子周りの環境は,CuZr2結晶のそれとは大きく異なり,二十面体もしくはそれに類似な多面体が多く存在することが分かった. このようなNiならびにCu原子周りの多面体の違いが,この2種類の金属ガラスの形成能や安定性に影響を及ぼしていると考えられる.
|
Research Products
(6 results)