2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15074212
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 英一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00264086)
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Keywords | 金属ガラス / 構造解析 / 電子回折 / X線回折 / 動径分布解析 / その場観察 |
Research Abstract |
弘津グループでは、電子線構造解析手法を応用する際に重要となる、(1)多重散乱効果、(2)非弾性散乱効果の解析精度への影響について検討した。アモルファスFe_<70>Nb_<10>B_<20>試料について、異なる試料厚さ領域からの電子線回折強度を得ると同時に、試料厚さ確認のため同一領域からの電子線エネルギー損失分光スペクトルを得た。強度解析の結果、約20nm厚さ以下では同様な強度プロファイルが得られ、2体分布関数も全く同じであった。一方で、厚さが30nm以上になると、高角度散乱強度は急に減衰し、2体分布関数の第一ピーク高さが減少する。以上より、多重散乱は、Fe系金属ガラスでは、厚さ約20nm以下でほぼ避けることができることが判明した。一方、エネルギーフィルター装置を用いた実験の結果、プラズモン励起による非弾性散乱波の除去は、電子線構造解析精度、特に配位数精度向上に大きく寄与することが判明した。 一方、松原グループでは、(1)金属ガラス、アモルファスの局所構造と(2)超音波などの外場によるガラス転移点近傍での結晶化挙動を調べた。1番目の課題では、放射光高エネルギーX線、精密X線回折などを用いてFe元素を80at.%以上含むFeNbBの局所構造解析を行い、B濃度の減少と鉄濃度の増加に伴って局所構造がFe_6Bの3角プリズム構造からBCC的な構造へと変化すること、晶出する初期準安定結晶相の構造もFe_<23>B_6からαマンガン、α鉄に変化すること明らかにした。2番目の課題では、金属ガラスのガラス転移の性質およびガラス相の熱的安定性を調べるため、Pd_<40>Ni_<40>P_<20>およびZr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>の弾性・擬弾性測定の高温その場測定を行った。共鳴周波数および内部摩擦の温度変化測定を行ったところ、ガラス転移温度近傍あるいは直上で急激な弾性定数の増加を示し、その急激な変化に伴いλ形状の内部摩擦ピークが出現した。これはガラス転移温度近傍で結晶化が起こったことを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Hanada, T.Sakamoto, T.Ohkubo, Y.Hirotus, H.Kanekiyo, S.Hirosawa: "Local atomic structures of amorphous Nd_<4.5>Fe_<77>B_<18.5> alloys formed under different cooling rates and their relations to the structures in the early stage of crystallization"Mater.Trans.. 44. 2042-2047 (2003)
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[Publications] Y.Hirotsu, T.Ohkubo, I.-T.Bae, M.Ishimaru: "Electron diffraction structure analysis for amorphous materials"Mater.Chem.Phys.. 81. 360-363 (2003)
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[Publications] T.Ichitsubo, E.Matsubara, S.Kai, M.Hirao: "Ultrasound-induced crystallization around the glass transition temperature for Pd_<40>Ni_<40>P_<20> metallic glass"Acta.Mater.. 52. 423-429 (2003)
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[Publications] J.Saida, E.Matsubara, A.Inoue: "Nanoquasicrystallization in metallic glasses"Mater.Trans.. 44. 1971-1977 (2003)
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[Publications] T.Ichitsubo, E.Matsubara, K.Anazawa, N.Nishiyama, S.Kai, M.Hirao: "Ultrasound-Induced Structural Anomaly of Supercooled Liquid in Some Bulk Metallic Glasses"Mater.Trans.. in press.
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[Publications] T.Hanada, Y.Hirotsu, T.Ohkubo: "Nanoscale phase separation in an Fe_<70>Nb_<10>B_<20> glass studied by advanced electron microscopy techniques"Mater.Trans.. in press.