2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元計測にもとづくプラズマミクロ反応場の動的挙動の解析
Project/Area Number |
15075206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橘 邦英 京都大学, 工学研究科, 教授 (40027925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白藤 立 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (10235757)
中村 敏浩 京都大学, 工学研究科, 講師 (90293886)
久保 寔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80089127)
酒井 道 京都大学, 工学研究科, 助手 (30362445)
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Keywords | マイクロプラズマ / プラズマ診断 / 集積型マイクロプラズマ / 大気圧プラズマ / 電波制御デバイス / プラズマフォトニック結晶 / 誘電体バリヤ放電 / 表面電荷測定 |
Research Abstract |
本研究では、各種の分光学的手法を駆使して、サブミリメートルサイズのマイクロプラズマ中の励起粒子や反応活性種の時空間における動的挙動を解析し、それぞれの応用の目的に応じたプラズマ制御の指針を確立することを目的に研究を進めている。今年度における主な成果は以下の通りである。 (1)課題の1つとして、プラズマディスプレイパネル(PDP)の単一放電セル内のマイクロ放電プラズマの3次元的挙動を観測し、効率改善の方策を検討している。今年度は,面放電型セルの維持電極間の誘電体に溝型構造を設けたセルを作成して、紫外発光につながる励起Xe原子の時空間挙動を調べた。また、通常のセルで動作ガス種をXe-Ne混合ガスからKr-Neに変換して、励起Kr原子の密度を時空間分解測定し、Xeの場合と紫外発光効率を比較した。また、PDP様の誘電体バリヤ放電における電極上の蓄積電荷を、ポッケルス効果を用いて測定する技法を確立し、電極を含む2次元表面上での蓄積電荷の時間変化を測定し、誘電体バリヤ放電のメカニズムや蓄積電荷の果たす役割を解析した。 (2)他方、マイクロプラズマと電磁波の相互作用についての研究を進めている。その1つのテーマとして、マイクロ波のストリップ線路の近傍に微小な1対の電極を配置し、ストリップ線路に対してパルスバイアスを印加すると、電極間のマイクロプラズマが線路に向かって伸展して、プラズマによるT型分岐が形成され、マイクロ波の伝送電力が変調できることを確認した。第2のテーマとして、プラズマとマイクロプラズマを2次元のアレイ状に集積する研究を進めている。そこでは、柱状プラズマの正方格子状の配列によって規則的な構造をもった人工的誘電媒質を創成し、その構造におけるミリ波領域のマイクロ波の透過特性を解析した。その結果、プラズマがあたかも光波領域でのフォトニック結晶のような効果をマイクロ波領域の電磁波に対して発現できることを見出した。これらの結果より、プラズマを導電性・誘電性の媒質として用いることによって、各種のマイクロ波制御デバイスが創成できる可能性が見えてきた。
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Research Products
(6 results)