2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプラズマのマイクロマシン、バイオマイクロシステムへの応用
Project/Area Number |
15075208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一木 隆範 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20277362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 貴則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80401149)
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Keywords | マイクロプラズマ / マイクロマシン / バイオマイクロシステム / エッチング / ポリジメチルシロキサン / 酸化シリコン / プラズマシミュレーション |
Research Abstract |
本申請課題では、チップ方式の大気圧マイクロプラズマジェット源を搭載した走査型マイクロプラズマジェットプロセス装置を開発し、局所高速加工システムとしての有用性を示してきた。本年度は、(1)走査型ラジカルジェット装置を用いたPDMSのマスクレス加工、(2)酸化シリコンの高速エッチング応用に関して主に研究した。さらに、マイクロプラズマジェット生成をより理解するための一助として時間領域差分法(Finite Difference Time Domain法)によるプラズマシミュレーションを行った。(1)では、エッチング部分において平滑な表面が得られているものの、その周囲では再堆積物が原因と考えられる荒れが見られた。X線光電子分光(XPS)測定でもNやF、S由来のピークが検出され、大気中N_2の混入や、SF_6によるエッチング生成物の再堆積等が考えられた。そこで、PDMSエッチングの特性を詳細に調べるとともに、エッチングにより引き起こされる表面荒れの抑制に着目して研究を進めた。Ar/SF_6エッチングガスの外側にシースとしてN_2ガスを導入することにより荒れの原因と考えられるNやF、Sの混入の抑制が可能であることがわかった。更に、エッチング後に洗浄プロセスを導入することでさらに混入物質を除去できることも示された。これらの結果から、大気圧マイクロプラズマジェットによるエッチング技術はPDMSを材料に用いたマイクロ流体デバイス等の作製への応用が期待できる。(2)では、基板電力の印加が絶縁物であるSiO_2膜を含めたシリコン系材料の高速加工に有効であることを見出し、酸化シリコンのエッチングでも15Wの電力を基板に印加した場合に、15.3μm/minの高速エッチングを達成した。
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Research Products
(9 results)