2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体関連分子の機能発現に対する溶媒効果の分子論的研究
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15076211
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山口 敏男 福岡大学, 理学部, 教授 (70158111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 亨次 福岡大学, 理学部, 助手 (00309890)
李 相男 福岡大学, 理学部, 助手 (40248472)
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Keywords | タンパク質 / 溶媒効果 / アミロイド線維 / X線・中性子散乱 / シミュレーション / アルコール-水混合溶液 / ジメチルスルホキシド-水混合溶液 |
Research Abstract |
本研究では、種々のアルコール-水混合溶液中の溶媒クラスター構造とダイナミクス、細孔中に閉じ込めた水やアルコールの構造とダイナミクス、アルコール水溶液中の合成モデルペプチドの溶媒和構造と二次構造変化、合成ペプチドのアミロイド線維形成について研究して、以下の成果を得た。 (1)メタノール-水、エタノール-水、2-プロパノール-水2成分溶液、トリフルオロアルコール(TFE)-水2成分溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)-水2成分溶液では、特有の組成おいて水クラスターからアルコール/DMSOクラスターへの構造転移が起こることを明らかにした。これらの混合溶媒中における10および17残基モデルペプチドを合成して、その2次構造変化が溶媒クラスター構造変化と密接な相関があることを明らかにした。さらに、レプリカ交換分子動力学法によりペプチドの溶媒和構造を明らかにしてアルコール誘起構造転移機構を考察した。 (2)親水性界面をもつMCM-41メソ細孔や五酸化バナジウム層構造中に閉じ込めた水やメタノールの構造とダイナミクスを調べた結果、水やメタノールは親水性界面と強い水素結合を形成して、バルクの水素結合ネットワークが歪んでいること、また、水の併進運動はバルクに比べて0.4〜0.6倍減少していることが明らかになった。 (3)アミロイド様繊維を形成する7残基ペプチドを合成して、DMSO添加によるアミロイド線維溶解機構を考察した。また、アミロイド線維形成ペプチド鎖中に、Met残基を導入し、酸化することにより、α-helix構造からβ-sheet構造へと転移しアミロイド様構造を形成する人工タンパク質(以下AG-Met)をデザインした.さらにそれが、安定且つ継代して細胞質に局在して発現しうる細胞系の構築に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Structure and dynamics of halogenoethanol-water mixtures studied by large-angle x-ray scattering, small-angle neutron scattering, and NMR relaxation2005
Author(s)
Takamuku, T., Kumai, T., Yoshida, K., Otomo, T., Yamaguchi, T.
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Journal Title
J.Phys.Chem.A 109(34)
Pages: 7667-7676
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