2003 Fiscal Year Annual Research Report
Super-GZK問題の解決と最高エネルギー宇宙線の化学組成測定
Project/Area Number |
15077203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門多 顕司 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (00339532)
吉井 尚 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036360)
荻尾 彰一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 加速天体 / エネルギースペクトラム / GZKカットオフ / 空気シャワー / 縦方向発達 / 化学組成 / 空気チェレンコフ光 |
Research Abstract |
本研究は、超高エネルギー宇宙線が大気中で形成する空気シャワーを地上検出器と大気蛍光望遠鏡で同時に測定を実施することに最大の特徴がある。これにより、現在、当該学界で最も重量なテーマである加速限界宇宙線の起源を解明することが本研究の最終目的である。 本研究計画では、大気蛍光望遠鏡の心臓部である撮像カメラを制作し、超高エネルギー宇宙線のエネルギー決定精度の向上および一次宇宙線の化学組成を解明する。そこで、本年度は撮像カメラを構成する各部品の仕様を最終確定し、最終設計を行った。これにより、カメラの主要部分である光電子増倍管として浜松フォトニクス社製のR9508を選定し、購入を開始した。それと同時に購入した光電子増倍管の特性を測定するための装置の制作を開始し、その設計を終了した。この装置の制作は、次年度より開始する。ところで、本観測では、夜光のもとで測定を行うため、この夜光がノイズとなる。そこで、測定のSN比を向上させるため、ショット社製のBG3フィルターを光電子増倍管の前面に取り付けることを決定し、その取り付け形状や方法を決定し、取り付けに用いる接着剤の選定を行っている。また、本観測は米国ユタ州の砂漠で実施されるが、過激な温度変化や砂による装置への影響を最小限に抑えるため、カメラ前面を透明な素材で覆う必要がある。これには、紫外部の透過性が良く、十分な耐久性、表面強度を有していることが重要な選定判断となるが、検討の結果、その材料として、クラレ社製のパラグラスを選定した。そこで、テストを実施し、測定に要求される条件を満たしていることを確認した。 なお、以上の成果は平成16年3月末に開催される日本物理学会において口頭発表する予定である。
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