2008 Fiscal Year Annual Research Report
Super-GZK問題の解決と最高エネルギー宇宙線の化学組成
Project/Area Number |
15077203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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Keywords | 宇宙線 / 起源 / GZKカットオフ / 化学組成 / 縦方向発達 / 空気シンチレーション光 / エネルギースペクトル / 活動的天体 |
Research Abstract |
本研究では、米国Utah州の砂漠地帯に空気シンチレーション望遠鏡を設置し、これにより空気シャワーの縦方向発達を測定し、超高エネルギー一次宇宙線のエネルギー、到来方向および質量組成を決定する。この結果と地表検出器による測定結果とを多面的に検討し、エネルギー限界宇宙線の起源および加速機構を解明することが本研究目的である。空気シンチレーション望遠鏡の建設設置は昨年度末に終了し、本年度は観測を継続しつつ機器の調整並びに特にイベントトリガーに関する改善を行った。トリーガーに関しては、ノイズイベントのうち最も大きな比率を占める飛行機サーチライトによるトリガー数をトリガーソフトウェアの改善により激減させた。一方で、取得データから空気シャワー到来方向と縦方向発達曲線の再構成を行う解析プログラムの開発を行っている。これに関して、3か所の望遠鏡施設のうち、1か所の望遠鏡のみで観測される空気シャワーイベントの解析精度を向上させるため、このようなイベントに対して地表検出器の情報を収集させるためのハイブリッドトリガーシステムの開発を行っている。さらに、測定結果と比較すべきシミュレーション計算イベントの蓄積に継続的に行っている。 以上の観測により、本年度末までに、ほぼ1年間の観測が行われ、その解析結果からpreliminaryなものとして、到来方向異方性や質量組成に関する結果が得られている。これらの結果は、逐次日本物理学会や2009年夏開催予定の国際宇宙線会議にて発表する予定である。
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Research Products
(4 results)