2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15078101
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邊 武 独立行政法人理化学研究所, 免疫監視機構研究ユニット, ユニットリーダー (40028684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 長博 国立大学法人京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40137716)
松島 綱治 国立大学法人東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
斉藤 隆 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
山本 一彦 国立大学法人東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80191394)
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Keywords | 免疫監視システム / 時空間的制御 / 免疫記憶 / 自然免疫 / 認識の多様性 / 危険シグナル / ワクチン / 免疫系の修復と強化 |
Research Abstract |
生体内での「場」と「時間軸」は免疫監視システムの最も重要な基盤である。この点について本年は精力的に研究が行われた。胸腺内での正負の選択における細胞移動、炎症、免疫反応の場への免疫細胞の移動、リンパ球ホーミング、骨髄内におけるリンパ球分化の場の形成などについての時空間的制御、リンパ節構築の分子機構などに大きな発展が見られた。「抗原特異的免疫記憶」の本態の解明、記憶を制御する基盤的方法の確立についても新たな成果が得られた。抗原認識における多様性の獲得、突然変異の導入について、AID分子を中心に班員による優れた成果が報告された。また、TLR, PIRやペア型受容体の認識機構、シグナル伝達と機能についても多くの発見がなされた。正常細胞とがん細胞などの変異細胞を厳密に区別認知し、あるいは有用常在細菌と病原微生物を区別認知して、生体にとって危険(danger)なもののみを積極的に排除する機構が免疫監視機構であるが、この分野における本領域の進展については本年はやや足踏み状態であったが、人工的にリンパ組織、免疫組織を構築し得る可能性が示され、個体内に自律発生する変異細胞(例えば、がん細胞)の恒常的排除機構の解明およびその強化、修復への新しい方法の開発に向けた研究の進展が期待される。 発表論文は250編以上で、主な業績はホームページに随時掲載している。インパクトファクターが30以上の論文が5編、20以上が6編、10以上が62編、3以上が87編で、班員が日本および国際的に免疫監視機構研究に業績をあげていることがわかる。また、ニュースレターの発行、国際シンポジウム(2回)の開催、班会議(2回)の開催等を行い、班員間の情報交換を推進した。
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Research Products
(6 results)