2005 Fiscal Year Annual Research Report
輸送小胞形成・積み荷蛋白質選別の分子機構とその高次機能における役割
Project/Area Number |
15079203
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大野 博司 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 耕二 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)
中津 史 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (50360607)
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Keywords | 小胞輸送 / 輸送シグナル / チロシンモチーフ / AP複合体 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
上皮細胞特異的に発現するAP-1B複合体の個体レベルでの役割を明らかにする目的で、AP-1Bのサブユニットμ1Bの遺伝子欠損マウスの樹立を試みた。その結果、AP-1B欠損マウスは多くが生後1日以内に致死であることがわかった。生存したAP-1B欠損マウスも体重増加が野生型の約半分程度であり、生後数週〜10週で死亡するようである。生存したAP-1B欠損マウスは腸管が長くかつ肥大しており、組織レベルでは上皮細胞が1層ではなく重層しており、極性が損なわれていることが示唆された。 エンドサイトーシスを司るAP-2に関しては、RNAiやドミナントネガティブ変異体による培養細胞での解析から、細胞の生存には必須でないことが示唆されていた。しかしわれわれが作製したAP-2欠損マウスは3.5日胚で既に存在しないことから、AP-2は細胞の生存に必須であることがわかった。RNAiによるノックダウンでは微量ながらAP-2が存在するのに対し、遺伝子ノックアウトでは完全に消失することがこのような表現型の違いを生ずると考えられる。 また、酵母2-hybrid法を用いて、トランスゴルジ網の構造維持やトランスゴルジ網-エンドソーム間のタンパク質輸送制御に関与すると考えられるGolgin245(tGolgin-1)と相互作用するタンパク質として、微小管結合タンパク質CLASPを同定した。Golgin245およびCLASPの相互作用に必要な領域が各のC末端領域であることを酵母2-hybrid法にて決定し、さらに大腸菌を用いて産生したこれらの領域のリコンビナントタンパク質がin vitroで結合することを確認した。
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Research Products
(3 results)