2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス生殖細胞の発生分化制御に関わる遺伝子機構の解析
Project/Area Number |
15080204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 俊明 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
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Keywords | 生殖細胞 / 生殖顆粒 / vasa / tudor / ES細胞 / 分化誘導 / 再プログラム化 / 核移植 |
Research Abstract |
(1)マウス雄生殖細胞においてハイスループットな遺伝子機能解析を行う為の実験系として、生体精巣を用いた外来遺伝子の一過性の強制発現、遺伝子機能抑制系の作出を行った。分化段階の異なる未成熟精巣の精細管内へ遺伝子溶液を注入し、電気穿孔法を行う事で体細胞分裂期の精原細胞、減数分裂期の精母細胞および半数体円形精子細胞へ外来遺伝子を特異性高く導入する実験条件を設定する事が出来た。同実験条件を用いてsiRNA発現ベクターを遺伝子導入する事で、雄生殖細胞の各分化段階でRNA干渉が機能し、レポーター遺伝子の発現抑制が起こる事を確認した。また、減数分裂組み換えに機能するDmc1遺伝子に対するsiRNA発現ベクターを導入する事で、精母細胞において減数分裂進行が阻害される表現型が得られた事から、これらの実験系が雄生殖細胞における内在性遺伝子の機能解析に使用可能である事が明らかとなった。 (2)ES細胞からのin vitro培養下の生殖細胞分化、及び体細胞核移植クローン操作時に起こる体細胞核の初期化機構についての解析を進めた。前者については、Vasa発現GFPレポーティングマウス体細胞から核移植によって得たES細胞を培養分化系の素材として用い、その長期培養分化(3-4週)に生じる生殖細胞を選別して遺伝子発現プロファイルを検討した結果、雌雄の減数分裂以降の分化が混在して進行することが判明した。後者のアプローチからは、体細胞核移植時に発現誘導されるVasa遺伝子ほか新規の4種の遺伝子を特定し、その特異抗体を調製することによって、それぞれの蛋白産物の発現特異性および細胞内局在性を明らかにした。また、Vasa遺伝子プロモーター域については、分化や核移植クローン過程で特徴的なDNAメチル化修飾の変動を示す部位が特定された。
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Research Products
(8 results)