2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス生殖細胞の発生分化制御に関わる遺伝子機構の解析
Project/Area Number |
15080204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 俊明 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 主任研究員 (70183902)
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Keywords | 生殖細胞 / 生殖顆粒 / vasa / tudor / ES細胞 / 分化誘導 / 再プログラム化 / 核移植 |
Research Abstract |
(1)マウス生殖顆粒構成分子をコードするtudor関連遺伝子群の解析を進めた。Tdrd1/Mtr-1変異マウスの解析により、生殖顆粒の一つであるintermitochondrial cementがマウス卵子細胞の分化と妊性に必須では無い事、雄生殖細胞に特徴的な生殖顆粒であるchromatoid bodyがintermitochondrial cementとは独立した起源を持つ事が明らかとなった。また生体精巣に対する電気穿孔法を用いる事で、Tudorドメインが生殖顆粒の局在モジュールとして機能する一方、同ドメインの繰り返し構造が生理機能に必要である事を明らかにした。現在、Tdrd6、Tdrd7/TRAP遺伝子改変マウスの作製を進めている。また新たにTdrd9遺伝子の同定と発現、局在の解析を行い、TDRD9がRNAヘリケース複合体を形成する事を明らかにした。一方、哺乳類生殖顆粒の包括的な解析を行う為、成体精巣の細胞分取、細胞内構造分画、免疫沈降法によりTDRD複合体精製の詳細な条件検討を進めた。 (2)新規作成したVasa-RFP BACベクターの遺伝子導入によって樹立したVasaレポーティングES細胞を用いた長期胚様体分化においても、RFP陽性の雌雄の減数分裂後生殖細胞の分化が再現された。このin vitro分化では、同時併行して雌雄性腺支持細胞の分化も見られること、及び減数分裂前の増殖性生殖細胞も共存することが確認された。また、生殖細胞系譜を可視化するVasa-REPとOct4-GFPのダブルトランスジェニックマウスの作成とこれに由来するES細胞の作成を行った結果、両者の陽性細胞には微妙な差異が存在することが判明した。核移植クローンに起こる体細胞核の初期化機構については、体細胞核移植時に発現誘導される遺伝子の機能解析を継続する一方、初期化時に活性化するVasa遺伝子プロモーターに結合する核蛋白質の特定を進めた。
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Research Products
(7 results)