2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15080208
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
佐々木 裕之 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (30183825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐渡 敬 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (70321601)
秦 健一郎 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (60360335)
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Keywords | 発生・分化 / 遺伝学 / ゲノムインプリンティング / DNAメチル化 |
Research Abstract |
哺乳類ゲノムは雌雄の生殖細胞系列で世代毎にエピジェネティックな再プログラム化を受ける。配偶子形成過程で獲得したエピジェネティックな修飾の一部は、受精後、両親由来ゲノムを区別するインプリントとして働き、胚発生に必須である。本研究では、この修飾の中心であるDNAメチル化が配偶子形成過程でどのように生じるのか、また受精後、胚発生へどのような影響を与えるかを明らかにする。本年度は、まず昨年度行った生殖系列特異的ノックアウトの結果に基づき、配偶子形成過程でゲノムを修飾する主要なメチル化酵素がDnmt3aであることを報告した(Nature 2004)。次に(1)Dnmt3aとDnm3bの生殖系列特異的ダブルノックアウト、Dnmt3b-/-と野生型とのキメラ胚作成の結果より、Dnmt3bの配偶子形成とインプリンティングへの関与を除外した。(2)Zp3-Creマウスを用いたノックアウトにより、卵成長期にDnmt3aがゲノム修飾を行うことを確かめた。(3)Dnmt1についても生殖系列における役割を調べるためfloxedマウスの作成を開始した(佐渡)。(4)ダブルノックアウトの結果から、卵細胞質に蓄積されているDnmt3a、Dnmt3bが、受精後インプリントを維持する可能性は低いことが分かった。(5)生殖系列におけるDnmt3aとDnmt3Lの相互作用を調べるため、ダブルノックアウトの作成を開始した(秦)。また、(6)生殖細胞でDnmtファミリーの酵素と相互作用する調節因子をtwo-hubrid法でスクリーニングし、候補となるクローンを同定した(秦)。経費のほとんどは消耗品とマウスの管理に係る謝金として使用した。来年度は、これらの研究をさらに発展させる予定である。
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Research Products
(10 results)