2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15080208
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
佐々木 裕之 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (30183825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐渡 敬 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (70321601)
秦 健一郎 国立成育医療センター, その他 (60360335)
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Keywords | 発生・分化 / 遺伝学 / ゲノムインプリンティング / DNAメチル化 |
Research Abstract |
前年度までに、DNAメチル化酵素Dnmt3aが活性化因子Dnmt3Lと協調して雌雄マウスの配偶子形成過程でエピジェネティックなゲノムの修飾を行うことが分かっていたので、平成18年度はその成果を発展させ、以下の新たな知見を得た。まず、(1)Dnmt3aとDnmt3bを雌の生殖細胞でダブルノックアウトしても表現型はDnmt3aノックアウトと同じであることを示した。これは、Dnmt3bが卵子の形成やインプリントの確立にほとんど寄与しないことを示す(投稿準備中)。一方、(2)雄の生殖細胞では、Dnmt3aとDnmt3bがインプリント遺伝子のみならず、トランスポゾンを含む様々な反復配列をメチル化することが分かった(投稿中)。また、(3)受精後、ゲノムワイドな脱メチル化が生じる卵割期にインプリントを維持するのは、卵蓄積型および胚由来のDnmt1であり、Dnmt3aとDnmt3bは関与しないことが示唆された。現在ノックアウトマウスを駆使して、最終の証明を得るための実験を行っているところである。(4)卵巣でDnmt3Lとよく似た発現パターンを示す遺伝子について、Dnmt3a/Dnmt3L複合体に結合して標的特異性を決める可能性があるか解析した。その結果、生殖細胞でエピジェネティックな調節を行う因子である可能性は低いと考えられた。しかしながら、この遺伝子は進化上高度に保存されており、卵子形成に重要な役割を担う可能性があるため、ノックアウトマウス作成を行っている。購入したピエゾマニピュレータはこの研究に用いた。生殖系列においてDnmt3a/Dnmt3L複合体を調節するほかの候補因子を得る必要があるため、改めてtwo-hybrid法によるスクリーニングを行う予定である。
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Research Products
(7 results)