2007 Fiscal Year Annual Research Report
アディポミクス、脂肪細胞の機能世界と破綻病態の解明
Project/Area Number |
15081101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松澤 佑次 Osaka University, 名誉教授 (70116101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船橋 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60243234)
斉藤 昌之 北海道大学, 獣医学研究科, 教授 (80036441)
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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Keywords | 内臓脂肪 / アディポサイトカイン / 脂肪細胞 / 発現遺伝子 / 分化 |
Research Abstract |
本プロジェクトは「食」というヒトを含む動物の根元的事象と深く関わりながら、これまであまり研究されてこなかった脂肪細胞の機能世界を明らかにする「アディポミクス」という新分野を確立し、脂肪細胞機能の破綻という観点から過栄養が関与するとされる疾患群の病態メカニズムや治療戦略に取り組もうとするものである。 最終年度である本年度は、1)平成19年8月17日に一般向け公開シンポジウム『驚異の脂肪細胞・生体防御機能から病態発症まで』を千里ライフサイエンスセンターにおいて開催した。メタボリックシンドロームという、現在わが国でも予防医学上大きな力点がおかれている病態の分子基盤としてアディポネクチンの新しい意義や、受容体解析について班員が発表し、加えて現在米国で優れた業績をあげているボストン大学大内乗有博士よりアディイポネクチンと心血管病に関する特別講演が行われた。アディポネクチン学がわが国を中心に世界的に進展していることが確認された。さらに脂肪細胞増殖機構や脂肪組織の炎症性変化について班員が発表し、ソウル大学Jae Bun Kim教授はエネルギーバランスと代謝異常の分子機構に関する特別講演を行い、聴衆にインパクトを与えた。2)平成19年12月6日、7目の両目にわたり班会議を、大阪大学中之島センターにおいて開催した。全研究代表者が参加し先進的な発表が行われ、アディポミクスという学問体系がわが国において大きく進歩したことが確認された。同時に本領域は未だ発展途上の領域で今後も大きく展開することが期待され、領域を真に根付かせることが重要と考えられた。3)英語版業績集を作成して世界に公表しうる形とするとともに、4)ホームページを用いて全国に活動を公表し、過栄養、運動不足とそれに起因する疾病が急増するわが国において、科学的基盤となる脂肪細胞に焦点を絞った学問体系樹立の礎とした.
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Research Products
(282 results)