2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081202
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 敏正 東京大学, 医学部付属病院, 客員助教授 (40372370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 直人 東京大学, 医学部付属病院, 寄附講座教員(助手相当) (50396719)
門脇 孝 東京大学, 医学部付属病院, 教授 (30185889)
|
Keywords | 応用動物 / 糖尿病 / 遺伝子 / マイクロアレイ / 生理活性 |
Research Abstract |
1、PPARγあるいはCBPヘテロ欠損マウスの脂肪細胞肥大/インスリン抵抗性の抑制を媒介するレプチン依存性、非依存性経路の解明.ob/obマウスとCBPヘテロ欠損マウス、もしくはアディポネクチン過剰発現マウスの掛け合わせを行なった。野生型マウスでは、レプチンの欠損により著明な体重増加と血糖値の上昇が認められたが、極めて興味深いことに、CBPヘテロ欠損マウスでは、レプチンの欠損によっても体重の変化は認められず、血糖値の上昇も部分的であった。CBPヘテロ欠損マウスでは、血中のアディポネクチンレベルが増加しているが、ob/obマウスにCBPヘテロ欠損マウスと同程度にアディポネクチンを発現するトランスジェニックマウスを掛け合わせても、体重に変化は認められず、血糖値の低下も部分的であった。組織特異的にCBPの発現を戻したマウスを用いることにより、CBPの標的組織が脂肪であることを特定した。このマウスの遺伝子発現パターンの違いをDNAチップを用いて比較検討することにより、レプチン以外の強力な抗肥満・抗糖尿病の情報伝達経路の同定を試み、MCP-1の抑制が脂肪肝の抑制や抗糖尿病に繋がることを明らかにした(J.Biol.Chem.281:26602-26614,2006)。 2、脂肪細胞由来ホルモンアディポネクチンを介した抗糖尿病・動脈硬化作用の分子メカニズムの解明.平成15年度我々は、特異的結合を指標にした発現クローニング法により、骨格筋に多く発現するアディポネクチン受容体(AdipoR)1と肝臓に多く発現するAdipoR2の同定に世界で初めて成功し、AMPK及びPPARαの活性化を介し、脂肪酸燃焼や糖取込み促進作用を伝達していることを示した(Nature 423:762-769,2003)。Db/dbマウスでAdipoRの発現を肝臓特異的に増加させたところ、耐糖能障害がそれぞれ改善するのが認められた。AdipoR1の過剰発現ではAMPKが活性化され、糖新生に関わる分子の発現抑制、ピルビン酸負荷試験で評価した糖新生の抑制、脂肪酸合成に関わる分子の発現抑制と脂肪酸燃焼の促進を介して、肝細胞内中性脂肪含量の低下傾向を認めて、インスリン抵抗性が改善しているのが認められた。AdipoR2の過剰発現ではPPARα自体の増加と活性化を介した脂肪酸燃焼やエネルギー消費に関わる分子の発現増加と脂肪酸燃焼活性の増加を介して肝細胞内中性脂肪含量の低下傾向を認めた。さらに炎症性サイトカインや酸化ストレス消去に関わる分子の発現増加とTBARSの低下傾向を認めてインスリン抵抗性が改善しているのが認められた(Nature Medicine 13:332-339,2007)。
|
Research Products
(6 results)