2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 敏正 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 客員准教授 (40372370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 直人 東京大学, 医学部・附属病院, 特任准教授 (50396719)
門脇 孝 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30185889)
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Keywords | 応用動物 / 糖尿病 / 遺伝子 / マイクロアレイ / 生理活性 |
Research Abstract |
アディポネクチン(Ad)は抗糖尿病アディポカインである。肥満でAdが低下する事が、メタポリックシンドローム(MetS)の主因と考えられている。アディポミクス参加後、肥満で炎症性サイトカインが増加する事もMetSの一因となっている可能性を報告した(Nat. Cell Biol. 2003)。本研究ではさらにAd・Ad受容体の生理的・病態生理的意義の解明を試みた。インスリン作用が亢進しているPI3K p85aKOマウスでは、Adが増加していた(Diabetes 2004)。新規のIKKβ阻害剤がAdを増加させてインスリン抵抗性を改善させているのを報告した(BBRC 2004)。メカニズムとして、肥満で増加する炎症性サイトカインによるPI3K-Akt経路の遮断を解除している可能性を報告した。Adは血中に種々の多量体を形成して存在する。我々はこのうち高分子量のみを特異的に形成出来ない変異を持つヒトは、糖尿病を発症する事を見出した(JBC 2003)。高分子量Ad測定法を共同開発し(CCA 2006)、インスリン抵抗性やMetSの診断においてより有用である事を示した(Diabetes Care, 2006)。単球系の培養細胞から炎症等の刺激によって分泌される好中球エラスターゼがAdを切断して、球状Adを生成し得る事を見出した(Endocrinology 2005)。また、apoEKOマウスにAdをtransgeneとして発現させる事により、脂質蓄積の低減と抗炎症作等により、動脈硬化巣形成が抑制されている事を見出した(JBC 2003)。我々は次に、特異的結合を指標にした発現クローニング法により、Ad受容体(AdipoR)1とR2を同定した(Nature 2003)。そして肥満・2型糖尿病のモデルにおいては、AdipoR1・R2が低下し、Ad感受性低下が存在する事(JBC 2004)、発現量を増加させる事が治療法になり得る事を示した。KOマウスを用いた実験等により、AdipoR1とR2が個体レベルにおいてもAdの結合と作用に必要な受容体である事、組織内中性脂質や炎症、酸化ストレス等の調節を介して、糖・脂質代謝制御において生理的に重要な役割を果たす事、肝臓においてAdipo R1がAdによるAMPK経路と、R2がPPARα経路と強くリンクしている事を示した(Nat. Med 2007)。Adが中枢神経系を介して摂食量を制御している事も示した(Cell Metab. 2007)。PPARy活性化剤が高活性型高分子量Adを、PPARα活性化剤がAdipoRを増加させる事を(Diabetes 2005)、また野菜・果物に含まれるオスモチンがAdipoRの作動薬となり得る事を見出している(Mol. Cell. 2005)。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Adiponectin stimulates AMP-activated protein kinase in the hypothalamus and increases food intake.2007
Author(s)
Kubota N, Yano W, Kubota T, Yamauchi T, Itoh S, Kumagai H, Kozono H, Takamoto I, Okamoto S, Shiuchi T, Suzuki R, Satoh H, Tsuchida A, Moroi M, Sugi K, Noda T, Ebinuma H, Ueta Y, Kondo T, Araki E, Ezaki O, Nagai R, Tobe K, Terauchi Y, Ueki K, Minokoshi Y,Kadowaki,T
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Journal Title
Cell Metab. 6
Pages: 55-68
Peer Reviewed
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[Journal Article] Phenotypes of IRS-2 deficient mice produced by reproductive technologyare stable.2007
Author(s)
Hashimoto H, Arai T, Ohnishi Y, Eto T, Ito M, Hioki K, Suzuki R, Yamauchi T, Ohsugi M, Saito M, Ueyama Y, Tobe K, Kadowaki T, Tamaoki N, Kosaka K.
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Journal Title
Exp Anim. 56
Pages: 149-154
Peer Reviewed
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