2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 信行 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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Keywords | 繊維芽細胞増殖因子 / 白色脂肪組織 / 組織形成 / 細胞分化 / 肥満症 |
Research Abstract |
白色脂肪組織の過形成である肥満症が、種々の生活習慣病の原因となることが明らかにされつつあり、白色脂肪組織形成過程の分子メカニズムの解明が期待されている。研究代表者は、胎児の白色脂肪組織形成過程において、FGF10が前駆白色脂肪細胞の分化と増殖に必須であることを明らかにした。一方、白色脂肪組織では、生後において成熟脂肪細胞のサイズの増加による組織形成が進行することが知られている。そこで、当初FGF10の受容体であるFGF受容体2に着目し、成熟脂肪細胞特異的FGF受容体2遺伝子欠損マウスの解析を行った。平成18年度では、生後の腸間膜白色脂肪組織において、FGF受容体2が成熟脂肪細胞のサイズの増加に重要な役割を果すことを明らかにした。また、成熟脂肪細胞におけるFGF受容体2は、当初考えていたFGF10との親和性が低いアイソフォームであることを明らかにした。さらに個々の脂肪細胞のサイズの減少は、特にエネルギー消費に関わるUCP2の発現調節によることを明らかにした。以上の結果より、腸間膜白色脂肪組織の成熟脂肪細胞において、FGF受容体2を介するシグナリングは、UCP2の発現抑制を介して、エネルギー消費を抑制し、脂肪細胞のサイズを増大させることが明らかになった。本研究で得られた成果は、メタボリックシンドロームの発症基盤である内蔵脂肪肥満の発症メカニズムや、その治療法の開発に有益な知見を提供できるものと期待される。さらに、生体のもう一つの脂肪組織、褐色脂肪組織形成に関与する可能性の高いFGF16について、ノックアウトマウスを作製した。作製されたFgf16ノックアウトマウスは生存、繁殖可能であり、心臓が小さい以外、外見上大きな表現形質は見つからなかった。今後は褐色脂肪組織の機能、形成に焦点を絞って、詳細に解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)