2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞における分泌経路の構造と分泌メカニズムの分子的解明
Project/Area Number |
15081206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀内 久徳 京都大学, 医学研究科, 助手 (90291426)
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Keywords | 脂肪細胞 / Rab / GLUT4 / streptolysin-O / adiponectin / lipolysis / Munc13-4 |
Research Abstract |
脂肪細胞におけるインスリン刺激時のGLUT4のトランスロケーションやアデイポネクチンの分泌は刺激に応じたエキソサイトーシスにより行われる。現在、脂肪細胞を用いたそれらのエキソサイトーシスを解析するためのアッセイ系を確立中である。すでに、細胞内環境に影響を与えず、培養3T3-L1脂肪細胞の形質膜に小孔を形成する系は確立し得た。その系を用いて脂肪細胞分泌因子の測定系を確立する。本解析系が確立されると、外部より作成したリコンビナント蛋白質や阻害抗体を投与でき、培養細胞で障壁となるトランスフェクション効率に左右されず、分泌に関わる蛋白質を特異的に解析可能となる。すでに、私たちは、血小板でそのようなアッセイ系を確立し得ており、その系を用いては、最近、Rab27 smallGTPaseおよびその標的蛋白質としてMunc13-4を発見し、両者が血小板濃染顆粒放出を制御していること(Shirakawa et al.,JBC,2004)を見出した。また、Munc13-4が家族性血球負食症候群の一つのタイプ(FHL3)の原因と報告されたが、我々は、日本では、家族性血球貧食症候群のうち約30%がMunc13-4の異常であり、これまで報告されているperforinのnon-sense mutationより症状が軽いことを見いだした(Ishii et al, Blood,2005)。今後、脂肪細胞において、早急に解析系を確立し、分泌経路の特徴、分泌メカニズムを解析していく計画である。
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