2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081211
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾仲 達史 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90177254)
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 講師 (10305120)
出崎 克也 自治医科大学, 医学部, 助手 (90337329)
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Keywords | 脂肪酸 / GPR40 / インスリン分泌 / カルシウム / 脂肪細胞 / レプチン / 血小板凝集 / 摂食中枢 |
Research Abstract |
代表的な遊離脂肪酸であるオレイン酸は、血漿生理的濃度において、ラット膵島のグルコース誘発インスリン分泌を増強した。同様に、刺激濃度グルコースの存在下で、ラットβ細胞の細胞質遊離Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)を増加させた。新規脂肪酸受容体GPR40の遺伝子発現を抑制するsiRNAで処理したβ細胞においては、オレイン酸による[Ca^<2+>]_i増加は消失した。オレイン酸による[Ca^<2+>]_i増加とインスリン分泌増強は、phospholipase C(PLC)阻害剤、L型Ca^<2+>チャネル阻害剤により抑制された。以上の結果から、遊離脂肪酸がβ細胞膜GPR40に作用し、PLC活性化を介してL型チャネルからのCa^<2+>流入により[Ca^<2+>]_i増加を起こし、インスリン分泌を増強する機構が明らかとなった。以上より,脂肪細胞から分泌され膵島β細胞インスリン分泌を刺激する"脂肪-膵軸"因子として遊離脂肪酸があり、肥満・高脂血症に伴う高インスリン血症の仲介因子の一つとして遊離脂肪酸濃度上昇の役割が示唆される。この成果はAm.J.Physiology誌に発表した。 さらに、脂肪細胞から放出される新規膵島制御物質の検索を進めた。3T3-L1脂肪細胞から培養上清へ放出される生理活性物質をラットβ細胞[Ca^<2+>]_i増加によりバイオアッセイする系を確立した。これまでにいくつかの活性化フラクション分画を得ている。 摂食と脂肪蓄積に重要な役割をもつ視床下部弓状核Neuropeptide Yニューロンにおいて、神経伝達物質GABAによる抑制とシグナル伝達機構を明らかにし、脂肪ホルモンレプチンのシグナル伝達機構の解析を進めた。また、レプチンの血小板凝集作用のシグナル伝達機序を培養細胞で明らかにした。
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Research Products
(7 results)