2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15081211
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
矢田 俊彦 Jichi Medical University, 医学部, 教授 (60166527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10305120)
出崎 克也 自治医科大学, 医学部, 講師 (90337329)
前島 裕子 自治医科大学, 医学部, 助教 (40438669)
鳥谷 真佐子 自治医科大学, 医学部, COE・ポストドクター (90420819)
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Keywords | 摂食 / レプチン / グレリン / NPYニューロン / Nesfatin-1 / インスリン / カンナビノイド |
Research Abstract |
1.摂食亢進系弓状核NPYニューロンにおいて、グレリンによる[Ca^<2+>]i増加はレプチンの共添加により抑制された。レプチンの抑制作用は、PI3キナーゼ阻害剤とホスホジエステラーゼ3(PDE3)阻害剤によって消失した。さらに、グレリン脳室内投与による摂食亢進はレプチンの共投与により有意に抑制され、この抑制作用はPDE3阻害剤の前投与により消失した。以上の結果より、レプチンはPI3キナーゼとPDE3を介するシグナル伝達により、グレリンによるNPYニューロンの活性化に拮抗し、摂食行動を抑制することが明らかとなった。 2.我々は、グレリンの既報の摂食促進、脂肪蓄積作用に加えて、インスリン分泌抑制・血糖上昇作用を見いだし、グレリン作用阻害による2型糖尿病、メタボリックシンドローム治療の可能性を示唆した。今回、グレリンがβ細胞のGTP結合蛋白質サブタイプGα〓、電位依存性K^+チャネル(Kv)の活性化を介してグルコース誘発インスリン分泌を抑制することを解明し、治療応用に向けた分子標的候補を示した。 3.内因性カンナビノイド元進は肥満、メタボリックシンドロームの成因と考えられ、その受容体の1つCB1受容体の阻害剤の臨床応用が検討されている。CB1受容体が膵島細胞に発現しており、カンナビノイドがインスリン分泌を抑制する作用を発見し、内因性カンナビノイド充進が代謝障害を起す新しい機序の一つを示した。 4.新規の脂肪-脳軸性の摂食抑制物質Nesfatin-1が視床下部室傍核と視索上核に局在し、オキシトシン、バゾプレシン神経と共存した。さらにNesfatin-1の発現が食事摂取により増加することから、このペプチドの食後の生体機能調節への関与が示唆された。
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Research Products
(32 results)