2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリア・ニュ ロン相互作用による神経機能維持メカニズムとその加齢変化の解析
Project/Area Number |
15082205
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00192021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 光代 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40122080)
瀬尾 寿美子 (桐生 寿美子) 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70311529)
濤川 一彦 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (50312468)
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Keywords | ミクログリア / 神経損傷 / アネキシン / シュワン細胞 / マクロファージ / ラッフリング |
Research Abstract |
神経損傷後に発現が上昇する蛋白のプロテオミクス解析からAnnexinIII(ANXIII)が得られた。In situハイブリダイゼイション法を用いた検索によりAnnexin(ANX)ファミリーの中で、ANXIIIのみが、ミクログリアで発現していることが明らかになった。損傷後に活性化するミクログリアで発現が亢進するANXIIIの機能解析を進めたところ、ANXIIIは活性化ミクロダリアのラッフリング膜に存在することが明らかになった。さらに、カルシウム依存的にアクチン線維と結合することが証明できた。このことから、ANXIIIはミクログリアが活性化したときに生じるカルシウム濃度の上昇に応答し、アクチン線維を膜にアンカリングする役割を有していると考えられた。以上よりANXIIIはミクログリアの活性化や移動において重要な役割を担っていることが証明できた。また、膵炎の時に分泌される蛋白として同定されたPAPはRegとともにPAP/Regファミリーを形成するが、このうち運動神経軸索損傷後に、損傷神経(シュワン細胞)でPAPIIIが発現することが前年度までに明らかにした。本年度は、PAPIIIの機能を検討した結果、PAPIIIはマクロファージやその細胞株であるBac細胞において、運動性を亢進しかつケモアトラクタントとし作用することが、in vitroで証明できた。さらに、アデノウイルスを用いて損傷末梢神経にPAPIIIを過剰発現させると、神経再生を促進させることができた。このことから、PAPIIIはマクロファージを介して神経再生を促進する因子であると位置づけられた。
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Research Products
(6 results)