2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリアによる神経軸索上機能分子の発現および局在化調節機構の解明
Project/Area Number |
15082208
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
馬場 広子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40271499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宜秀 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50311832)
林 明子 (安藤 明子) 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (90232090)
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Keywords | ミエリン / ランビエ絞輪 / シュワン細胞 / スルファチド / アストロサイト / 2次元電気泳動法 |
Research Abstract |
神経興奮伝導の維持には、神経軸索と髄鞘あるいは絞輪アストロサイトなどのグリアとの間の密な相互作用が重要である。この相互作用に着目して検討し、以下の点を明らかにした。 1)末梢神経ミエリンのSchmidt-Lanterman切痕に接する軸索部分にはK^+チャネルが集積し、興奮伝導に伴うK^+の排除に働くと考えられている。この切痕の形成にスルファチドが関与することを新たに示した。また、Ca^<2+>依存性リン脂質結合タンパク質であるAnnexin IIが、末梢神経では切痕およびパラノードに集積することを明らかにした。シバラーマウスおよびパラノード欠損マウスを用いた解析から、この分子が軸索・髄鞘間相互作用に関与していることが示唆された。 2)パラノード欠損マウスでは、白質を中心とした著明なアストロサイト活性化を生じると共に絞輪軸索でチャネルの分布が大きく変化する。この脊髄を用いたマイクロアレイ解析によって、種々のサイトカイン類の上昇と共に、細胞内におけるPI3キナーゼの上昇やCa^<2+>関連シグナル伝達系が変化することを明らかにした。また、細胞外マトリクスの構成成分の変化や関連酵素の変化も認めた。今後、これらの変化が興奮伝導に与える影響を解析することが重要と考えられた。 3)脱髄や軸索・髄鞘相互作用の異常を解析するには、タンパク質変化のプロテオミクス解析が用いられる。しかし、通常の固定化等電点電気泳動(IPG)を用いた2次元電気泳動法(2DE)では、髄鞘に多い膜タンパク質や塩基性タンパク質などの解析は困難であることが多い。そこで、最近多回貫通型膜たんぱく質などに有効であると注目されているBenzylhexadecyldimethyl ammonium(16-BAC)を用いた2DEを、髄鞘解析用に改良した。 1)から3)の結果に関しては現在投稿中あるいは投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)