2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリア-ニューロン相互認識に関わる機能分子と活動依存性分子動態
Project/Area Number |
15082210
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
重本 隆一 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (20221294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 有吾 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助手 (60343745)
時田 美和子 (馬杉 美和子) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (10420712)
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Keywords | グリア / ニューロン / GLT1 / GLAST / NG-2 / AMPA / グルタミン酸受容体 / レプリカ免疫電顕 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、まずグリア-ニューロン相互認識に関わっている機能分子の電子顕微鏡的局在を明らかにし、それらの神経活動依存的な動態と伝達物質放出調節やシナプス可塑性との関係を明らかにすることである。ニューロンからグリアへはグルタミン酸を介したシグナル伝達が、グリアからニューロンへはATPを介したシグナル伝達がよく知られている。昨年度は、AMPA型グルタミン酸受容体の局在を小脳と海馬を用いて検討した。アストロサイトの細胞膜を同定するためにはGLASTやGLTが有効であったがNG-2陽性oligodendroglial progenitorの同定は、NG-2プロモーター下にGFPを発現させたトランスジェニックマウスが非常に有用であった。グルタミン酸受容体のうちAMPA型受容体の密度をシナプスを3週と4ヶ月令のBergmann glia細胞膜で比較したところ、P-face上のGLAST標識は3週でクラスターを作っていたものが、4ヶ月令ではびまん性に分布していたのに対し、同じ細胞膜のE-faceのAMPA型グルタミン酸受容体は平方ミクロンあたり数百個の金粒子クラスターが3週、4ヶ月令のいずれでも認められ、シナプス反応様の早い応答を説明できることがわかった。また、シナプスが豊富に存在する分子層とBergmann glia細胞体が存在するプルキンエ細胞層で比較したところ、以上のような性質はほぼ同様に認められ、標識密度にも大きな違いが認められなかった。このことは、シナプス周囲のみならず、細胞体層でもシナプス様のAMPA型グルタミン酸受容体クラスターを介した速い伝達が行われている可能性を示唆する。NG-2陽性細胞上の受容体局在については、現在解析中で来年度にかけて定量する予定である。
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Research Products
(5 results)