2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15082211
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
平林 真澄 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 助教授 (20353435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 健 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10241241)
保地 眞一 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10283243)
平林 敬浩 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (40297015)
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Keywords | 核移植 / クローンラット / p34^<cdc2> kinase / トランスジェニックラット / 精原細胞 / EGFP / 精子形成 / 顕微授精 |
Research Abstract |
1.自発的活性化の抑制とドナー核の活性化: クローンマウスの作製法として再現性のあるホノルル法では顕微注入した体細胞ドナー核に早期染色体凝集(PCC)が誘起されるが、ラットに同法を適用してもPCCはほとんど起こらない。そこで染色体凝集に重要な役割を果たす卵成熟促進因子(P34^<cdc2> kinase)のラット卵子内での動態を調べたところ、除核した卵子ではp34^<cdc2> kinase活性が著しく低下し、まったくPCCが誘起されなくなることがわかった。またプロテアソーム抑制剤のMG-132で処理するとp34^<cdc2> kinaseの急激な低下は抑制され、未処理区と比較して顕微注入核のPCC誘起率を有意に高められた。以上、ホノルル法によってラット核移植を成功させるためにはp34^<cdc2> kinase活性を高く維持する化学物質処理が必須であると示唆された。 2.ラット精原細胞の長期培養、ならびに分化誘導後の顕微授精: EGFPを発現するトランスジェニックラット(ヘテロ)のG1雄産仔から調製した精原細胞とセルトリ細胞をLIFの不在下で10日間培養し、50%がEGFPの蛍光を発する円形精子細胞様の細胞集団を得ることに成功した。これらの細胞集団の倍数性分布をFACSによって調べたところ、培養の6日目から1Nのピークが出現していた。またこれらの円形精子細胞様の細胞集団では、半数体細胞特異的マーカーのプロタミン2のmRNAがRT-PCRによって検出された。これは、ラットの精子形成のうちの「タイプA精原細胞」から「半数体円形精子細胞」までの分化を体外で再現できた可能性を含んでいる。そこで、これらの細胞が正常な個体発生に寄与できるかどうかを円形精子細胞注入伝(ROSI)による顕微授精によって調べたところ、移植胚の6%が着床したものの生存産仔は得られず、ラット精原細胞を体外で分化誘導した円形精子細胞の正常性を証明するには至らなかった。
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Research Products
(5 results)