2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15082211
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
平林 真澄 National Institute for Physiological Sciences, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 健 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (10241241)
保地 眞一 信州大学, 繊維学部, 准教授 (10283243)
平林 敬浩 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (40297015)
篠原 隆司 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30322770)
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Keywords | 核移植 / クローンラット / 円形精子細胞 / 生殖幹細胞 / 遺伝子トラップ / ノックアウトラット / ROSI / 脱メチル化 |
Research Abstract |
脳機能解析に用いるためのノックアウトラット(KO)作製を目指し、これまでに体細胞クローン法と精子幹細胞を用いた方法を検討してきた。本年度は、(1)移植体細胞核の初期化動態をゲノムの脱メチル化を指標とした解析、(2)ラット由来GS細胞に遺伝子トラップし、遺伝子破壊が確認できたクローン由来の個体作製を行った。 (1)脱メチル化を指標とした体細胞ドナー核の初期化の検討:移植体細胞核の初期化動態を調べることを目的に、DNAメチル化修飾の動態を調べた。胚発生の初期に起こる脱メチル化が初期化機構の一つであるという仮定のもと、まずラット受精卵における脱メチル化動態を調べた。交配後に受精卵を回収しメチル化量を調べたところ、受精から6〜10時間の間に急速にメチル化量が低下した。顕微授精(ICSI)で得た受精卵ではメチル化量の低下が受精卵を回収したものより僅かであった。ラットでは未受精卵を体外に取り出し操作することで、初期化機構の一つである脱メチル化能に影響を及ぼすことが明らかになった。 (2)ラット精子幹細胞を用いた遺伝子改変個体の作製:遺伝子トラップ法により遺伝子導入したラット由来生殖幹細胞(GS細胞)をG418薬剤耐性により選択後、遺伝子破壊が確認できたクローンを免疫不全マウスの精巣内に移植し、半数体精子細胞精子へと分化させた。これによりできあがった円形精子細胞をラット卵子へ顕微授精(ROSI)し、遺伝子組換えラットを作製した。SD-EGFPラット由来およびWistar-EGFPラット由来の合計2トラップクローンで、それぞれ19匹および64匹の産仔が得られ、neoをプローブとしたサザン解析の結果、15匹および16匹(含未解析14匹)にneoのバンドが検出された。ホモ個体の作製と詳細な遺伝子解析は進行中だが、ラット精子幹細胞を用いることでKOラットを作製できることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)