2004 Fiscal Year Annual Research Report
生命秩序の膜インターフェイスを制御するソフトな分子間相互作用
Project/Area Number |
15083101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿久津 秀雄 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60029965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 一夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70196476)
芳賀 達也 学習院大学, 理学部, 教授 (30011646)
神田 大輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
白川 昌宏 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00202119)
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Keywords | 膜インターフェイス / 生命秩序 / ソフトな相互作用 / 分子間相互作用 / シグナル伝達 / 物質輸送 |
Research Abstract |
研究項目A01では、哺乳動物細胞からラフトを調製し、そこにフィロティリン1とGαqが存在することを確認した。フィロティリン1はそのN末端ドメインを含む領域でGαqのN末端のαヘリックス領域と相互作用して、膜ラフトにおけるシグナル伝達のプラットフォーム形成に関与することを見いだした。Gタンパク質共役受容体のリガンドであるPACAP (pituitary adenylate cyclase-activating peptide)の天然に見られる27残基および38残基についてDPCミセルに結合した構造を決定した。紡錘体形成チェックポイントを持つZW10がアポトーシスを誘導するドメインをもつ小胞体タンパク質BN1P1がSyn18と結合して小胞体の膜融合に関与していることを明らかにした。研究項目A02では、H^+-ATP合成酵素のβサブユニットモノマーとリガンドの結合による構造変化の実態を溶液NMRを用いて明らかにすることに成功した。βサブユニットモノマーは5.2kDaの分子質量をもち、NMRの解析限界を超えるが、区分標識法を併用することにより、open型からclosed型への構造変化が起こっていることが明らかとなり、この構造変化がH^+-ATPase回転の駆動力を形成する一つであることが明らかとなった。ミトコンドリアタンパク質の輸送に関して、リガンドとの間の分子間SS結合を人工的に導入することで、ミトコンドリアプレ配列とその受容体Tom20コアタンパク質複合体の結晶化に成功した。研究項目A03では、転移交差飽和法を胴いて、膜結合KイオンチャネルKcsAとポアーブロッカーAgTxの相互作用解析を行い、Kイオンチャネルのポアーブロッカーに対する選択性を決定するアミノ酸残基の特定を行った。大腸菌のニッケルイオン取り込み機構を構成するタンパク質「NikA」の高分解能立体構造決定に成功した。この蛋白質は502残基からなるが、溶液NMRでほぼ全シグナルの帰属に成功した。新規合成法を開発し、G蛋白質結合型受容体(opioid receptor like 1)の2つの膜貫通ドメインを含むC末端部位251-350の合成に成功した。特定領域研究第2回公開シンポジウム「Molecular Soft Interactions at Biomembrane Interface」を開催した。若手の講習会も開いた。
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Research Products
(6 results)