2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア輸入装置と前駆体タンパク質の間のソフトな相互作用に基づく分子認識
Project/Area Number |
15083205
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神田 大輔 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前仲 勝実 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (10322752)
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Keywords | タンパク質 / 分子認識 / 細胞内輸送 / プレ配列 / ミトコンドリア / Tom20 / 分子内ジスルフィド結合 / 複合体安定化技術 |
Research Abstract |
ミトコンドリア・マトリクスへ輸送されるタンパク質はN末端に余分な配列(プレ配列)が付加された前駆体として合成される.昨年度までにプレ配列受容体であるTom20サブユニットとプレ配列との複合体を分子間SS結合を用いて安定化して,結晶構造決定と^<15>N緩和時間解析を行い,プレ配列のコンセンサス配列をTom20が少なくとも2つの異なる結合様式を使って,動的に認識しているという斬新な分子認識機構を提案した.本年度はプレ配列が結合していないTom20のコア構造の緩和時間解析を行ったところ,意外にも分子全体にわたる大きな動きがあることがわかった。また,Tom20の結合ポケットにある3つのアミノ酸残基を置換して,結合をNMRでモニターした。予想通り,疎水性残基のセリン残基への置換は結合を低下させた.リンカーを用いない複合体の安定化技術として,プレ配列内にD型システインを導入することで3残基離れたL型システインと分子内ジスルフィド結合を形成させ,ヘリックス状態を安定化することで複合体を安定化する手法を試みた.ALDHプレ配列のうち,Tom20の認識に関与しない位置であるProl3とSerl6の位置にそれぞれD型とL型のシステインを導入し,分子内ジスルフィド結合を形成させた.このペプチドを^<15>NラベルしたTom20に滴定する化学シフト変化実験を行った結果,結合ポケットに存在するアミノ酸残基に大きな化学シフトの変化が観察され,プレ配列ペプチドに分子内ジスルフィド結合を導入することで複合体を形成しやすくなったことが確認できた.このペプチドとTom20を混合し,複合体の結晶化を試みたところ,約0.2mm^3の結晶を得ることができた.この結晶を逆相HPLCで分析した結果、Tom20とペプチドが結晶中にモル比1:1で存在していることを確認した.この結晶を放射光施設PFで測定し2.5Aまでの反射を得た.
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Research Products
(4 results)