2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15084201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松村 良之 Chiba University, 法経学部, 教授 (80091502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 克己 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20013021)
尾崎 一郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00233510)
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Keywords | 基礎法学 / 民事法学 / 法意識 / 所有権意職 / 契約意識 / 裁判所 / 拡散的支持 / 伝統的態度 |
Research Abstract |
今年度は第1に、A01班の他のメンバーと共同で、基本統計書(単純集計の基本統計量を記載)を英文で作成した(研究発表欄参照)。第2に、要因計画法に基づく質問票部分(契約の拘束力と土地の所有権の意識に関する2小話からなる)について、主として分散分析を用いて分析した。契約については、被験者は、契約が文書による場合あるいは友人よりも商人との取引の場合に拘束力を高いと感じている。なお、相互効果は見いだせなかった。土地については、予想されたことであるが、遊び場より菜園に用いた場合、看板がある場合の方が所有権の侵害性を強く感じている。また、知り合いの土地の方が所有権の侵害性を強く感じており、これは川島武宜の仮説とは異なる。さらに、所有権小話の場合には複雑な相互効果が見いだせた。第3に、裁判所イメージについて、裁判所利用経験者と、未利用者で比較した。裁判所利用経験者について、主張が満たされた場合には、基本的信頼(「裁判所はすべての人々に、正義にかなった裁判を保証してくれる」という問で測定)と伝統的態度(「裁判になったら裁判官にまかせておけばよい」という問で測定)の得点が下がると言うことはないが、満たされなかった場合には顕著にさがっている(ただし、調停被申立人の伝統的態度を除く)。そして、被告、被申立人の側の場合には、満足する結果だと、基本的信頼については評価が高まっているように見える。さらに、他の設問との相関(たとえば伝統的態度とそれなりの相関がある)、アメリカ政治学で議論されている、裁判所に対する拡散的支持とは全く別のものである(学生被験者予備調査の結果)ということを考慮すると、基本的信頼は、正義が第一次的な価値である裁判とか司法固有のものへの信頼とは異なることが示唆される。
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Research Products
(3 results)