2006 Fiscal Year Annual Research Report
「紛争」発生過程の研究-「問題」認知から「紛争」への展開とその要因
Project/Area Number |
15084202
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
村山 眞維 明治大学, 法学部, 教授 (30157804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 隆彰 千葉大学, 文学部, 教授 (80125913)
杉野 勇 お茶の水女子大学, 文教育学部, 講師 (80291996)
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Keywords | 基礎法学 / 民事法学 / 法律問題 / 法の主題化 / 紛争処理 / 社会調査 / 国際比較 |
Research Abstract |
本計画研究班は、紛争行動調査のデータに基づき、相手方との接触、その後の問題処理行動のなかで法律との関連性の関連性の意識がどのような影響を行動に及ぼしており、また、どのような場合に弁護士利用や裁判所利用が促進されるかについて、分析作業を進めた。これらは順次、平成19年度以降に学術専門誌などに発表していく予定である。 平成18年度には、主に単純集計結果と因子分析、ロジスティック回帰分析によって、主な紛争行動の段階に影響を及ぼす要因を探索し、それらの分析結果について、国際比較も交えた研究をまとめた。これらは、海外の学会で報告した。まず、7月初旬にアメリカの「法と社会学会」において、村山が研究部会の座長を務め、欧米アジアの研究者と国際比較の観点から研究報告を行った.また7月の下旬に南アフリカのダーバンで開催された国際法仕会学会では、同じく村山が座長を務めた研究部会において、本計画研究班から2名が研究報告を行った。 法社会学のグローバルな世界において、アメリカの「法と社会学会」と国際法社会学会はそれぞれアメリカ合衆国とヨーロッパに主な拠点をもつ主要な学会であり、本計画研究班はこれらの学会において積極的に研究報告をしてきたが、今後もこれを続けていく予定である。 A班(紛争行動調査担当班)の他の計画研究班と協力し、12月には『紛争行動調査基本集計書』をとりまとめた。また、同じく基本集計結果を要約した英文論文を公刊した。このほか、まだ未刊行であるが提出済みの論文も脱稿している。 A班のなかでは、回答者の法意識に関わる変数と、問題経験、問題処理行動に関わる変数との相関をどのように扱うかを検討した。本調査は、問題経験後に回顧的に調査を行っているため、回答者の意識は行動経験によって影響を受けていると考えられ、意識と行動との影響関係は相互的なものと考えなければならないからである。平成18年度の終わり頃から、この問題に取り組み始めており、平成19年度にはこの分析をさらに進めたいと考えている。
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Research Products
(2 results)