2004 Fiscal Year Annual Research Report
法使用に体する自治体の関与-地域住民の法的ニーズに体する自治体の体応の研究-
Project/Area Number |
15084210
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
阿部 昌樹 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10244625)
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Keywords | 紛争 / 紛争処理 / 法使用 / 法的ニーズ / 調査票調査 |
Research Abstract |
本年度は、本特定領域研究を構成する神戸大学班および東京大学社会科学研究所班とともに、一般市民の紛争経験や法的ニーズを定量的に把握するために次年度に実施を予定している全国規模の法使用調査を、その調査目的に適合した実効的なものとするための、予備調査の実施にあたった。 具体的な作業は、以下の通りである。まず第1に、昨年度に実施した郵送調査の結果を統計的に分析し、郵送調査で用いた質問票に盛り込んでいた質問項目が、人々の紛争経験を説明する因子を捕捉するうえで適切なものであるかどうかを再検討した。そのうえで、第2に、郵送調査の調査票に大幅な修正を加え、予備調査のための新たな調査票を作成した。第3に、そうして作成した調査票を用いて、面接法による予備調査を実施した。第4に、この予備調査の実施に携わった調査員を集め、面接調査に際して遭遇した問題を聴取した。以上を踏まえて、現在は、予備調査の結果を統計的に分析しているところである。 昨年度の郵送調査と本年度の面接法による予備調査により、統計的な手法を用いて一般市民の紛争経験や法的ニーズを定量的に把握することに伴う、理論的な検討のみからでは思いつかないようないくつかの困難が明らかになるとともに、それらの困難を回避するための方策もある程度まで見えてきた。また、調査票の内容や構成も、昨年度の郵送調査の際に用いたものよりも相当程度に洗練されたものとなってきたし、予備調査の分析結果を踏まえて、さらに洗練の度合いを高めることが可能であると思われる。来年度は、そうした成果を踏まえて、全国規模の法使用調査(本調査)に着手する予定である。
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