2006 Fiscal Year Annual Research Report
法使用に体する自治体の関与-地域住民の法的ニーズに体する自治体の体応の研究-
Project/Area Number |
15084210
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
阿部 昌樹 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10244625)
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Keywords | 紛争 / 紛争処理 / 法使用 / 法的ニーズ / 調査票調査 |
Research Abstract |
本年度は、(1)本調査の第二次調査を実施し、(2)その結果を昨年度に実施した本調査の第一次調査の結果と結合させて、データ・ファイルを構築したうえで、(3)そのデータ・ファイルに内在するエラーを修正するためのデータ・クリーニングとアフター・コーディングの作業を行い、(4)探索的なデータ分析に着手するとともに、(5)本調査の内容を補完するために、本調査の調査対象者のうちで個別面談に同意してくれた者のなかから数名を抽出して、個別面談調査を実施するともに、(6)同じく本調査の内容を補完するために、本調査とほぼ同様の調査票を用いた調査票調査を、司法過疎地域である岩手県釜石市において実施した。 本調査は、第一次調査と第二次をあわせて、11,000サンプルを対象としたが、有効回答数は5,330であり、したがって、回収率は48.45%であった。これら5,330サンプルそれぞれのデータについて、回答に矛盾がないかどうかや回答のコーディング・エラーがないかどうかをチェックし、一部については回答の分類の修正等を行い、データ・ファイルを内容的に確定したうえで、統計分析用ソフトウェアSPSSによって分析可能な形式に整えた。そして、そのデータ・ファイルの探索的な分析に着手した。こうした作業と並行して、2つの補完的調査、すなわち、個別面談調査と釜石市における調査票調査を実施した。本調査および釜石市調査の実施実務それ自体は、社団法人・中央調査社に委託したが、それ以外の作業はすべて、本特定領域研究を構成する神戸大学班および東京大学社会科学研究所班に所属する研究者との共同作業で行い、そのために頻繁に検討会や研究会を開催した。 また、これらの作業と並行して、本研究に固有の研究対象である自治体の法律相談事業や仲介・斡旋事業について、その実態を把握するために、関西圏の複数の自治体を対象とした聞き取り調査を、昨年度に継続して実施した。なお、当初の予定では、本年度においては全国の自治体を対象とした郵送調査を実施する予定であったが、それほど高い回収率を見込めない郵送調査の有効性には疑問があること等を踏まえて、この郵送調査は取り止め、そのために計上していた予算は、釜石市調査のために支出した。
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