2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15084214
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
武士俣 敦 福岡大学, 法科大学院, 教授 (30190169)
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Keywords | 民事紛争 / 弁護士 |
Research Abstract |
平成16年度の研究計画に沿って、市民による弁護士使用の実態に関する全国調査の予備調査の準備と実査の活動をおこなった。平成16年5月に開催された本領域研究全体会議における前年度の研究活動の総括をふまえて、明らかとなった研究遂行上の問題点の検討とそれへの対応が活動の中心であった。検討事項の第1点は、調査票の内容とそれが前提とする理論的枠組の問題である。民事紛争処理過程に関する文献の研究と若干名の弁護士にたいするインタビュー調査を通して次のような調査票の基本枠組を構成した。(1)紛争の流れ、展開の時間軸に沿った質問構成とし、弁護士接触以前、弁護士相談段階、弁護士依頼段階、弁護士依頼終了段階に区分することとした。(2)紛争当事者の認知の次元と行動の次元を区別して、両者の対応関係を把握できるようにした。(3)当事者と弁護士の相互作用による紛争展開の変化の有無、程度を把握できるようにする。これらの枠組みにもとづいて質問項目を具体化した。検討事項の第2点は、調査対象のサンプリングの問題である。最初のオムニバス調査の結果から直接一般市民を対象としたランダム・サンプリングでは実際上弁護士使用経験者のサンプル抽出は不可能であることが予測されたため、前年度の予備予備調査において一定数の弁護士を無作為抽出し、そこを通じてその依頼者を調査対象として抽出するという方法を採用したが、それでも回収率がきわめて低かったため、本年度の予備調査ではデータの取得に重点を置く方法を採った。すなわち、抽出した弁護士からその相談者・依頼者に調査協力依頼をしてもらい調査対象者として確保するという方法である。この方法により、平成17年3月に予備調査を実施した。現在、集計分析作業が継続中である。予備調査の結果は5月に開かれる計画研究班の全体会議で公表する予定である。
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Research Products
(1 results)