2003 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本人の法意識と司法システムへの信頼-その社会心理学的研究
Project/Area Number |
15084215
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
藤本 亮 活水女子大学, 健康生活学部, 助教授 (80300474)
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Keywords | 法意識 / 民事紛争 / 紛争処理 / 社会心理学 / 社会規範 |
Research Abstract |
研究費の交付が決定された後、すみやかに特定領域の関係する特定領域研究班と連携して、学生対象の予備調査を実施し、社会心理学におけるパーソナリティ尺度群や社会規範意識、さらに法意識の尺度項目を検討した。それと並行して、領域全体の全国サンプルの第一次予備調査調査票に含める項目の検討を行い、調査を実施した。学生調査は、10月14〜15日、12月1日、12月15日、1月21日の四次に渡り、尺度項目を入れかえたり、ワーディングを調整したりしながら、長崎市医師会看護専門学校、北海道大学、放送大学、香川大学、活水女子大学の5校で行い、合計361サンプルを得た。収集されたデータを分担して、項目の見直しや、ワーディングの問題修正のための詳細な分析を行っているところである。とくに法知識については、ある程度予想されたことではあったが、正解率が低く、啓蒙による法意識の向上といった伝統的な法意識研究の枠組み自体を問い直す必要がデータの上からも明らかになった。この点については次年度前半に研究成果を公表する予定である。つまり、法制度に接する頻度が少ないため、そもそも知識どころか、権利とか義務といったタームで自己や自己をとりまく環境について考えることが少なく、そのような言葉を用いての質問項目というのは、その内容的妥当性が十分に検討されなければならないといえる。さらに、2月には特定領域全体で全国サンプルの予備予備調査を実施しているが、そこでも同じような傾向がみられるかどうか検討した上で、このような学生予備調査ならびに予備予備調査での知見を前提にしつつ、次年度に予定されている予備調査、ならびに本調査の調査項目について引き続き精緻化し、この大規模な調査研究の信頼性と妥当性を高めていこうとしている段階である。
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