2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15085201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
茂木 巖 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50210084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘紀 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60321981)
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Keywords | 磁気浮上 / マイクログラビティ / 無容器プロセス / 反磁性 / 磁場効果 / ソフトマテリアル |
Research Abstract |
本研究の目的は30T級ハイブリッドマグネットを用いて反磁性物質を浮上させ,磁気浮上状態における材料プロセスを開発することである.本年度は以下のような成果が得られた. 炭酸ガスレーザー加熱の磁気浮上炉を用いて,数種類の有機ポリマーや分子性結晶の加熱溶融を試みたところ,加熱により物質の上下動や回転運動が観察された.これは反磁性磁化率の増加と,不均一加熱による試料内の温度分布に起因しており,磁化率変化によるポテンシャルエネルギーの増大が運動エネルギーに変換された結果生じたものである.従来,反磁性磁化率の温度依存性はほとんど無視されてきたが,数パーセント程度の磁化率の変化であっても,磁気浮上状態では大きな浮上位置の変化をもたらすので,磁気浮上炉の設計には重要となる. この観察結果をもとに,今年度は新たに二種類の磁気浮上炉の開発を試みた.ひとつは,マグネットのボア内に設置した小型赤外線ランプで浮上試料を直接照射するタイプのもので,単純な構造ゆえに極めて操作しやすく,しかも安価に製作できる磁気浮上炉となった.これは高分子や分子性結晶を扱うために開発したもので,レーザー光に比べよりも均一に光を照射し,より穏やかな加熱ができ,また,白色光であるためより多くの種類の物質を対象にできるという利点がある.この炉を用いて分子性結晶アントラセンの無容器溶融凝固を試みた. もうひとつは,より均一な加熱を実現するために電気炉を用いた磁気浮上炉を試作中である,電気炉は内部観察することが難しいために,これまで磁気浮上炉には使われてこなかった.我々は高温で使用できるボアスコープと電気炉を組み合わせた磁気浮上炉を試作中である.この炉を用いると3000T^2m^<-1>程度の磁気力場で,800℃くらいまでの浮上溶融凝固の観察が可能になるので,有機物質以外にも無機イオン結晶へも適用できるようになる.
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Research Products
(6 results)