2003 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場印加プロセスによる金属・酸化物の組織制御と新機能性材料の創製
Project/Area Number |
15085206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
掛下 知行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 智之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20346183)
福田 隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50228912)
植田 千秋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176591)
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Keywords | 磁性 / 先端機能デバイス / 微小重力 / 物性実験 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
物質の性質は、一般に磁化に対して等価ではなく異方性を有している。この磁気異方性にはスピンが関与する結晶磁気異方性等ならびにスピンが関与しない反磁性異方性がある。これらの起源を解明することは物質内の磁気的相互作用を理解する上で重要であり、さらにこれらの異方性を利用した磁気メモリー、磁歪材料、電磁鋼板等の磁性材料の特性を理解することにも繋がる。そこで本年度はこれらの磁気異方性の起源解明のため、スピンが関与する結晶磁気異方性を示すFe-Pd系合金およびFe_3Pt合金についてそれぞれ単結晶を作製し、X線回折ならびに主要な結晶方位に対して帯磁率・磁化測定および磁歪測定を行った。その結果、Fe-31.2(at.%)Pd合金についてはそのマルテンサイト相ではa軸方向に容易軸を持ち、結晶磁気異方性定数K_uは約350kJ/m^3であることが分かった。さらに、磁場を特定の方位に印加することでマルテンサイト相の結晶学的バリアントが再配列し、最大約3%の歪を生じることが明らかになった。一方、スピンが関与しない反磁性異方性の起源を解明するたのにはCa(OH)_2などの結合の大多数がM-O結合で構成され、結晶構造が単純な物質を用いてその磁気異方性を調べる必要がある。しかしながら、その異方性は非常に小さく、通常の測定手段では測定することがほぼ不可能である。そこで本年度はまず無重力空間で試料を回転振動させる測定システムを無重力実験施設で使用可能な規格で設計・作製することを試みた。その結果、この測定システムを用いたグラファイト単結晶の帯磁率測定において反磁性異方性Δχを充分な精度で測定することに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tomoyuki Kakeshita: "Martensitic Transformation in Fe-based shape memory alloys under magnetic field"Journal de physique.IV. 112. 93-100 (2003)
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[Publications] Takashi Fukuda: "Stability of B2-type structure and martensitic transformation in Ti-Ni shape memory alloys"Journal de physique.IV. 112. 685-688 (2003)
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[Publications] Takashi Fukuda: "Temperature dependence of magnetic field-induced strain of Fe_3Pt"Transactions of the Materials Research Society of Japan. Vol.28, No2. 249-250 (2003)
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[Publications] Chiaki Uyeda: "Characteristics of Paramagnetic and Diamagnetic Anisotropy which Induce Magnetic Alignment of Micron-Sized Non-Ferromagnetic Particles"Materials Transactions. Vol.44, No.12. 2594-2598 (2003)
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[Publications] Chiaki Uyeda: "Stabilization of the Position of a Solid Body Isolated in Micro-Gravity and Field-Induced Rotational-Oscillation Caused by Diamagnetic Anisotropy"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.42. L1226-L1228 (2003)
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[Publications] Tatsuaki Sakamoto: "Crystallographic orientation dependence of magnetic field-induced strain in an Fe-31.2Pd alloy"Transactions of the Materials Research Society of Japan. Vol.28, No2. 247-248 (2003)